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#9 テレ東入社3年目の超天才【大森D】は時代を作る(確信)

テレ東は民放の中でも変わり者的イメージがある。
その独特感が良さで、ファンも多い。

最近では元テレ東Pの佐久間さんのオールナイトニッポン0が人気で、テレ東やバラエティ制作の裏話を軽妙に、ときに自虐的に話してくれるのが面白くてより親しみを持つ人が多いだろう。
私もその1人で、佐久間さんのラジオなどを通じてバラエティ制作が想像以上にクリエイティブな仕事であること、だからこそ作り手であるテレビマンは才能による差がつく厳しい世界であることを知った。

それ以来バラエティなど番組制作に興味を持ち始め、作り手の熱意を感じられる番組を好んで見ている。
特に好きなのはテレ東の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」、TBSの「水曜日のダウンタウン」「クイズ正解は1年後」「クレイジージャーニー」と言ったところ。あとはNHK BSの旅番組の大ファン。
どれも最高の人気番組である。

そんな中、ウチらのテレ東による素晴らしい企画を発見した。
「テレ東若手映像グランプリ」という若手社員の才能を発掘するためのコンテストである。これが素晴らしいのは、番組制作のコンテスト自体新しいし、テレビマンはクリエイティブ職であることが認められたという点だと思う。

概要としては、30歳以下の若手社員が「予算100万以内」「15分以内」「ジャンル自由」で制作した映像がYoutubeにアップされ、ファンや社員による投票のうえ決勝進出した上位5作品から審査員が優勝作品を決める。優勝作品は4月に深夜帯で地上波で放映される。
決勝は3月17日に配信済みだが、サイトからチケットを購入し2週間見られる。この内容の濃さ、この審査員をワンコインで見られるのはなかなか無いし感動を共有したいので、ぜひ見て欲しい。


このグランプリについて、先に結論を言うが、衝撃的だった。



審査員や視聴者が震えるほどの
どえらい大天才が1名、現れた

その名も大森時生ディレクターである

審査員は
・大根仁(映画監督、ドラマ演出)
・ロンドンブーツ1号2号 淳
・劇団ひとり
・佐久間宣行(テレビプロデューサー)
・ファーストサマーウイカ
という凄まじい顔ぶれだが、彼らが口を揃えて「群を抜いている」「才能が羨ましい」と言いなんと全会一致により圧倒的な優勝、グランプリに完封勝利した。

そんな彼の作品がこちら。引くほどぶっ飛んでいる。
「東南アジア風の架空の国『ネラワリ国』で誰が最も日本に詳しいか決めるクイズ番組」とのこと。


突如始まる謎歯磨き粉CMで完全に掴まれる。


ずっとバカバカしいし、クイズ自体の設問も最高に性格悪くて爆笑した。
今さら江角マキコと長嶋一茂をいじるのも笑うし、せいやとウエストランド井口についてはネラワリ語のため直接は伝わらないが、同じ痛ましい事件で共通していることは明確である。

この映像は大森Dがゼロから作ったという「ネラワリ語」という謎言語で終始繰り広げられるため一切意味不明。安っぽいセットやアジア圏のテレビを彷彿とさせる容赦なきカオス、Youtubeにアップされることを逆手に取った違法アップロード風の映像、2022年に芹那とあらぽんを起用するという絶妙さがセンスすぎる。

今回のグランプリの審査員陣は割と辛口で、他の作品はボロカス言われていたのに対し彼に対しては絶賛の嵐。口々に「天才」と言っていた。
バカバカしいのに毒っけがある世界観が完成されていること、画面構成のデザインセンスや「クイズ番組」という枠から一切出ずにこれを作り上げていること、自分のセンスを全面に出しきる勇気などが高く評価されていた。

個人的には応募作品が Youtubeにアップされる点を活かし、タイトルや動画の途中で急に不自然なバナーが入るなど巧妙な「違法アップロード感」を出している点がすごく好きだった。
テレビ番組制作のコンテストであるため映像の本筋とは関係の無い仕掛けなのだが、関係ないところにまで凝ることこそかっこいい。
「知らない国で日本についての変な番組が放映され、違法アップロードまでされて視聴されている」というストーリーも作るこだわり具合に惚れた。

大森Dの作品は優勝特典で30分番組として深夜に地上波で放映される。
知らずにテレビをつけた人は、深夜突然ネラワリを目にして死ぬが、素材も撮り直しパワーアップさせて地上波で流すとのことでさらに期待大。
また、応募作品としてはYoutubeでアップされることを意識した作りだったが、今度は地上波深夜帯を活かしたこちらが想像もつかない仕掛けをしてくれるかもしれない。



私が本当にかっこいいと思ったのは優勝が決まった際の彼のコメントで、「テレビで放映してこそ意味がある」という言葉からは優勝の先を見据えた熱量、覚悟、テレビ愛や番組制作のプライドが伝わってきた。


私自身は番組制作に興味があるだけで4月から始める仕事は全く関係ない。しかし新卒として社会にでる身として、今回のグランプリから仕事にプライドを持ち本気で打ち込むことのかっこよさを学んだ。
大森Dをはじめとする若手社員、ほぼ笑いなしで厳しいことを言いながら本気で向き合う審査員、皆番組制作にプライドを持ち真剣に向き合っているからこそ圧倒的な実力や結果を築いてきたことがひしひしと伝わった。
自分も仕事に誇りを持ち夢中になって打ち込めるようになると良いなと思うし、そのために努力したい。


4月入社の2週間前というタイミングで見たため変なバイアスがかかり、必要以上に深いところまで刺さってしまったが、これだけは言えるのは大森Dは新時代を作る大天才ということである。

もう一度言いたい。

大森Dは新時代を作る。





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