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写真詩集

57
スマホで撮った写真+言葉
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#詩

おぼれる

溺れる
おぼれる
オボレ、ル

知らなくてもいい
悲しみがあることを
今、知りました

届かない
届かない

あなたに

あなたの残した

あなたの残した

遠く聞こえる潮騒
どこかに還りたかった わたし

過ぎた日々は
どこかに消えて

あなたの
残したものだけが
今も

終わる恋を

終わる恋を

終わる恋を追いかけて
ただ、泣きたいだけの
センチメンタル

バイバイ バイバイ
また、どこかで

まだ、それでも

まだ、それでも

.
まだ
好きだとはいえず
それでも
恋となる日が
くるのでしょうか
  

わがままシャボン

わがままシャボン

ほんの少しでいいから
その夢に
触れてみたかった、だけ

(写真詩)

忘れて、いつか

忘れて、いつか

どうか
あの日の約束が
綺麗なまま
忘れ去られますように

泣いたことも忘れて

密葬

密葬

.
好きでした、と
誰に告げるわけでもなく
独りで終わらせた 春

あなたが元気なら
それでいいのです

それで、いいのです

優しい人

沈黙を続ける言葉
滑り落ちていく時間
終わろうとしている
恋のあと先

優しい人を好きになった
冷たい 私

5月の吉日

愛したかった
愛されたかった

どんな私でも
どんなあなたでも

晴れた5月の吉日
忘れたさよならの仕方

そのうち

並べられた
黄色と赤
緑の隙間を通る風は
少し冷たい

いつも思い浮かべるいつか、は
どこか優しくて
意味を探す私を
はっとさせる

元気ならいいよ
元気ならそれでいいんだ

そのうち
手紙を書くよ

呼吸

忘れられた誰かの一日
思い出を開けるはずの鍵
それでも
呼吸を
続けて
続けて

白と黒で切り取った世界
あなたがいなくとも
私がいなくとも
世界は回る

そんな当たり前の片隅
今日も生きて
息をする

探す

空の隙間
あの日の記憶
雲に隠れて
見えない何かを
探して
探しては

もう一度
君に
会えるだろうか

風がさらう

寒いね、と言いあって
次の約束すら残さず
ひとりぼっちになった、ふたり
冗談交じりの告白も
夕焼けに溶けた

遠い声
真剣な横顔
飲み込んだ最後の言葉

ただの友達