松坂夏海(なつ)
詩集。 いつかの私へ。いつかのあなたへ。
あなたの声をきかせて。 そしてこっそり私の声をきいて。
スマホで撮った写真+言葉
読書記録
. もう 後悔はしたくないから チクリとさす痛みも 誰かのためだけの笑顔も それでも、いい まだ風は冷たいけれど 震える指先で あなたに会いたい、と
今日は水曜日かぁ、とぼんやり今日を眺めている。明日は木曜日だなと思ったところで、明日これといって予定がある訳でもない。いつもと同じような一日をたぶん重ねていくだけ。可もなく不可もなく。だけど、たぶん、それでいいんだろう。天気予報を少し気にして、今日の一日に蓋をした。
. 悲しいかもしれない でも 悲しくないかもしれない 二人の始まりも終わりも 二人だけのもので いつか、また なんて 曖昧な約束だけれど それも 全部 全部 二人にしかわからないことで 二人だからわかることで
. 使い古された ラブ・ソングは もう くたびれていて 言えずに終わった恋が 後悔に変わっていく それでも 今日も今日が過ぎて 忘れてしまった泣き方を 思い出そうとしている 夜は深いまま、で
. どうした、なんて 聞かないでいて あなたの横顔に 見惚れていたなんて 言えはしないから だから そのまま 明日を見ていてよ
. 忘れそうなラブソングを また 引っ張り出してきて 夜の端で 泣いている きっと 好きなのは あなたじゃなくて 恋をしている、私
. どうしたって あなたを 追いかけてしまうのでしょう 忘れようとするたび なにかに急き立てられるように 必死で思い出しては また あなたを思うのでしょう 卒業出来ない、なんて それっぽいことを 言ってみたところで ただ ただ 恋に 酔っていたいだけなのかもしれません これだから、恋は
. 明日のあなたは 明日 教えて とりあえず 今日の あなたを 知りたい 今のあなたを 知りたいと思うのです
. 聞き飽きた言い訳を 今日も 受け入れて 眠りにつく 手放せばいい、のに 最後の決断も出来ないまま 君の 隣で 今日も
. 怖い夢を見ないように 夜を飲み込んだ 夜を飲み込んだまま あなたの手を握った 寂しさを 全部 消すように 悲しみを 全部 消すようにして
. 今日の終わりに 嘘をひとつ ついた あなたが あんまりにも 泣きそうだったから 平気よ、平気 ひとりでも、大丈夫 だから いいの ひとりきりに させて 明日 また 遊ぼうよ
. 夕暮れに 街が染まっていくのを ただ 眺めては 思い出せない思い出を 必死で 思い出そうとしている 二人の終わりも わからないまま 泣けないまま 私は 今日も ここで
これ以上ないほどに 自由に踊らせて 無責任な口実は もう 聞き飽きたの 自分勝手な夜に わがままに 泣いてみたいだけ
. 誰にも行き先を告げずに 風が流れる方へ 花の匂いがする方へ 失くした恋は どこへ行くのでしょうか 落とした涙は どこへ行くのでしょうか 明日を探しながら 歩いています
. 傷つくと わかっている恋を したくないだけ ねえ、 忘れてくれていいよ
. どうやら 私の手には負えない恋のようです いつだって あなたのことばかりで どこにいても あなたを探していて こんなにも 胸が忙しくて