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Come On Let's Go / Broadcast (2000)
Come On Let's Go / Broadcast (2000)
実験とポップの美しい融合。60年代的なソングライティングとバンドアンサンブルを、ヴィンテージシンセをはじめとする心地よい電子音でどこまでもセンスよくアレンジしたサイケポップ。ノスタルジックだけど新しい、Warpが提示した2000年代のバンドサウンド。Be My Babyのリズムに乗せて「Come On Let's Go」と歌
Aht Uh Mi Hed / Shuggie Otis (1974)
Aht Uh Mi Hed / Shuggie Otis (1974)
リズムボックスとか宅録っぽいソウルってたくさんあるけど、結局これが1番最高。モコモコ具合、チャカポコ具合、完璧な塩梅。いま聴いても面白い音響。1974年傑作アルバム『Inspiration Information』に収録。30年は早すぎた、バック・トゥ・ザ・フューチャリスティック・ソウル。
Albatross / Fleetwood Mac (1968)
Albatross / Fleetwood Mac (1968)
"Sleepwalking"や"チャック・ベリー"Deep Feeling"などの古典を下敷きに、アトモスフィリックかつサイケデリックにアレンジしたピーター・グリーンの傑作ギター・インスト名曲。陶酔、というよりストーン。ただぼーっと空を眺めているときの没入感に近い。ジョン・レノンも『Sun King』でパクった。
はっぴいえんど / 春よ来い (1970)
はっぴいえんど / 春よ来い (1970)
はっぴいえんど=『風をあつめて』という10代の自分のイメージを変えたのはこの曲。イントロのクールなファズ・ギターから歌いだしの「お正月といえば」で撃沈。あぁ、カッコ良すぎる。日本語サイケデリック・ロックの大傑作。モビー・グレープ、バッファロー・スプリングフィールドの影響色濃い1stアルバム(ゆでめん)のリードトラック。松本隆のもたつくドラムによる独特の
Home Before Dark / Nora Guthrie (1967)
Home Before Dark / Nora Guthrie (1967)
遠くから聞こえるチャイム、子供達の声。夜になる直前、街がオレンジ色に包まれる時間の美しさとなんともいえない不安定な気持ち。誰しも感じたことがあるだろう、そんな夕暮れのフィーリングを見事に掬い取ったメランコリックなサイケデリック・ポップ。伝説的フォーク・シンガー、ウディ・ガスリーの娘ノラ・ガスリーと当時のボーイフレンド、
Vision / Steve Tibbetts (1984)
Vision / Steve Tibbetts (1984)
ECMらしい静謐な音響で奏でられるカリンバとタブラの音色。土着と洗練が交錯するトライバルな前半から、スティーブ・チベットのエモーショナルなギタープレイへと流れ込む5分間の秘境トリップ。アメリカのギタリスト、マルチプレイヤーによる1984年作『Safe Jorney』収録曲。
Victory Garden / The Red Krayola (1968)
Victory Garden / The Red Krayola (1968)
5秒から2分くらいの極端に短い曲というより"断片"が20トラックならぶクレイオラの2ndアルバム『God Bless the Red Krayola and All Who Sail With It』、その中で一瞬だけ素面になるかのような脱力メロウ・フォーク。Galaxie 500によるカヴァーも十分素晴らしいが、オ
Brown Rice / Don Cherry (1975)
Brown Rice / Don Cherry (1975)
アンビエント〜バレアリック再評価以降の耳で聴いてもいまだ新鮮な、個人的瞑想ソングNo.1。東洋的旋律を繰り返すミニマルなエレピにエレクトリック・ボンゴや呪術的な語りが絡みあうサイケデリック&メディテーションな5分間の異世界トリップ、出勤時の満員電車で聴いても効果は抜群。オーネット・コールマンやジョン・コルトレーンとの活動でも知られるフ
Funnel Of Love / Wanda Jackson (1961)
Funnel Of Love / Wanda Jackson (1961)
怪しげでオリエンタルなギターが誘うのは魅惑的な愛の渦。「クイーン・オブ・ロカビリー」の異名をもつ、ワンダ・ジャクソンが1961年に残した不滅のクラシック。その強烈なダミ声とエキゾチックなロカビリー・サウンドの中毒性は、クランプスからジム・ジャームッシュ、アデルにシンディ・ローパーまで魅了した。
Playground Love / Air (2000)
Playground Love / Air (2000)
ソフィア・コッポラ監作『ヴァージン・スーサイズ』のメインテーマ。Serge Gainsbourg『Histoire de Melody Nelson』(1971)〜Beck『Sea Change』(2002)へと連なるフランス的退廃の美学、甘美なストリングスとサウンドアレンジは10代の危うい魅力を見事に表現している。
Godspeed / Frank Ocean (2016)
Godspeed / Frank Ocean (2016)
たしかS.L.A.C.Kだったと思うんだけど、音楽を作ることは自分にとって精神安定剤みたいなもんだみたいな事をインタビューで言っててすごい共感したのを覚えてる。フランク・オーシャンの『Blonde』も自分にとって似たようなもので、飛行機の離陸/着陸の度に流したり、なんか落ち着かない時に再生する儀式みたいなアルバム。本曲や「Solo」のど
Asshole / Beck (1994)
Asshole / Beck (1994)
ルーツであるフォーク、ブルース、カントリー...を当時のローファイ感覚で表現したK Recordsリリースの初期作『One Foot in the Grave』収録曲。Holy Modal RoundersやMichael Hurleyあたりの60年代のフォーク・ミュージックが持っていた奔放さを感じさせながら、90年代オルタナティブ特有の乾きを内包した
Can't Seem To Make You Mine (1966)
Can't Seem To Make You Mine (1966)
男なんだからピシッとしろ!と時代錯誤なことを言いたくなる弛んだ演奏と歌。恋はした方が不利で未練じみた男ほど惨めなものはないという定理を完璧に表現した(してしまった)哀愁のガレージ・バラッド。愛した人がもう戻ってこないフィーリングを、こんなに巧みに表現出来た曲はそう多くはないだろう。スカイ・サクソン率いるLAのガレージ・バンドの
Fade Away / New Age Steppers (1980)
Fade Away / New Age Steppers (1980)
ナンバーガールが『NUM-HEAVYMETALLIC』を出した時にインタビューでThe Pop Groupとかと並べて話していて聴いたのが最初、まだ15歳くらいだったからダブ的なものとの出会いでもある。いま聴いても先鋭的な音響処理にエイドリアン・シャーウッドの偉大さを感じまくる、最初のドラムで即悶絶だ。でもやっぱりフリーダム
Baby / Donnie & Joe Emerson (1979)
Baby / Donnie & Joe Emerson (1979)
ドニー&ジョーの兄弟デュオ、自宅農家のホームスタジオで録音されたプライベート・プレス『Dreamin' Wild』に収録。息子たちにワイルドな夢を見た父親の期待は虚しく散り、当時はまったく売れなかったが2012年Ariel Pinkのカヴァーで広く知られることに、、、。数奇な運命を辿った致死量糖分の激甘ティーンエイジ・ドリーミ
Somebody Please / MIKE (2017)
Somebody Please / MIKE (2017)
真剣な表情で吊り橋を渡るシュールなジャケットは一体なに?と思っていたが、本曲の密林に迷い込んだようなエキゾ&ダブ的音像の前半部にピッタリはまる。ソファにずぶずぶと沈みながら、煙でも燻らせて聴くのが良い。ニューヨークのラッパーによる2017年出世作『May God Bless Your Hustle』に収録。サンプルはインディアナポリス産