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1960's

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Albatross / Fleetwood Mac (1968)

Albatross / Fleetwood Mac (1968)

Albatross / Fleetwood Mac (1968)

"Sleepwalking"や"チャック・ベリー"Deep Feeling"などの古典を下敷きに、アトモスフィリックかつサイケデリックにアレンジしたピーター・グリーンの傑作ギター・インスト名曲。陶酔、というよりストーン。ただぼーっと空を眺めているときの没入感に近い。ジョン・レノンも『Sun King』でパクった。

Home Before Dark / Nora Guthrie (1967)

Home Before Dark / Nora Guthrie (1967)

Home Before Dark / Nora Guthrie (1967)

遠くから聞こえるチャイム、子供達の声。夜になる直前、街がオレンジ色に包まれる時間の美しさとなんともいえない不安定な気持ち。誰しも感じたことがあるだろう、そんな夕暮れのフィーリングを見事に掬い取ったメランコリックなサイケデリック・ポップ。伝説的フォーク・シンガー、ウディ・ガスリーの娘ノラ・ガスリーと当時のボーイフレンド、

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Victory Garden / The Red Krayola (1968)

Victory Garden / The Red Krayola (1968)

Victory Garden / The Red Krayola (1968)

5秒から2分くらいの極端に短い曲というより"断片"が20トラックならぶクレイオラの2ndアルバム『God Bless the Red Krayola and All Who Sail With It』、その中で一瞬だけ素面になるかのような脱力メロウ・フォーク。Galaxie 500によるカヴァーも十分素晴らしいが、オ

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Funnel Of Love / Wanda Jackson (1961)

Funnel Of Love / Wanda Jackson (1961)

Funnel Of Love / Wanda Jackson (1961)

怪しげでオリエンタルなギターが誘うのは魅惑的な愛の渦。「クイーン・オブ・ロカビリー」の異名をもつ、ワンダ・ジャクソンが1961年に残した不滅のクラシック。その強烈なダミ声とエキゾチックなロカビリー・サウンドの中毒性は、クランプスからジム・ジャームッシュ、アデルにシンディ・ローパーまで魅了した。

Can't Seem To Make You Mine (1966)

Can't Seem To Make You Mine (1966)

Can't Seem To Make You Mine (1966)

男なんだからピシッとしろ!と時代錯誤なことを言いたくなる弛んだ演奏と歌。恋はした方が不利で未練じみた男ほど惨めなものはないという定理を完璧に表現した(してしまった)哀愁のガレージ・バラッド。愛した人がもう戻ってこないフィーリングを、こんなに巧みに表現出来た曲はそう多くはないだろう。スカイ・サクソン率いるLAのガレージ・バンドの

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Prelude / The Millennium (1968)

Prelude / The Millennium (1968)

Prelude / The Millennium (1968)

日本ではソフトロックの名作として知られる1968年『Begin』のオープニング・トラック。60年代とは思えない強烈なドラム・サウンドやハープシコード等を用いた万華鏡的サウンドの実験性はサイケデリック・ロックを録音芸術の域にまで到達させた金字塔。ロサンゼルスのビートメイカー Nobodyによる再解釈"Wake Up and Smell

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Ghosts: First Variation / Albert Ayler Trio (1965)

Ghosts: First Variation / Albert Ayler Trio (1965)

Ghosts: First Variation / Albert Ayler Trio (1965)

20歳の頃、『サッド・ヴァケイション』(2007 監督:青山真治)のラストシーンではじめて聴いた"Ghost"は衝撃だった。背伸びしながら聴いていたフリージャズの小難しいイメージを一掃するキャッチーなテーマ、もはやチンドン屋みたいだなと思いながら祝祭的でどこかノスタルジックなメロディをよく口ずさ

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