桜また来るから桜忘れていい(佐藤文香)
何もかもが無になるとき、唐突に側からみたらなんでもない瞬間に涙があふれ出すとき、意味もなく眠れない夜に、思い出す人や出来事がある。
あまりに衝撃的な景色を目の前に、こころにずっと刻みつけておきたいと思う。
そんな景色がある。
例えば、体を縮こませる寒さの中、信じられないスピードで圧倒的な明るさで沈んでいく夕日とか。
例えば、さりげなく投げかけられたように見せかけられて考え抜かれた一言をもらった時とか。
例えば、大好きな人と一往復で終わると思っていたラインがもう一回だけ続いた時とか。
それらはいつになっても変えがたくて、大切で、どんなに遠くの景色となっても、色褪せないのだと思う、それでも。
桜また来るから桜忘れていい(佐藤文香)
何度でもなんて保証なんかない日々の、それでも私は(あなたと)またここに来れるって思えることの、忘れてしまっていいって思える奇跡のようなありがたさをかみしめてしまう。
きっとある、だから大丈夫だ、あなたもわたしも。
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https://www.amazon.co.jp/菊は雪-佐藤文香/dp/4865280367
今日、佐藤文香さんが刊行した「菊は雪」という第3句集の話をして、なんだかもう書きたくなって書きました。
ぐっとくる言葉たちが散りばめられています。よければ、手に取っていただけたら嬉しいです。
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