【2021年日本シリーズ第2戦】ヤクルト高橋奎二がシリーズ初登板、プロ初完封勝利

日本シリーズ、オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズの第2戦、ヤクルトの高橋奎二がシリーズ初登板をプロ初の完封勝利で飾った。

オリックスが宮城大弥、ヤクルトが高橋奎二の先発で始まった試合は第1戦同様、投手戦となった。
第1戦の両先発、山本由伸と奥川恭伸も5回まで無失点に抑えたが、第2戦も両軍のスコアボードには5回まで「0」が並んだ。

(日本シリーズで2試合連続で5回まで0-0で推移したのは、1960年の大毎オリオンズ対大洋ホエールズの第1戦と第2戦(川崎球場)以来、61年ぶり)

オリックス先発の宮城大弥は6回途中までヤクルト打線をパーフェクト投球を続けたが、ヤクルトは8回に二死一、二塁のチャンスから青木宣親のタイムリー安打でついに1点を先制した。
一方、ヤクルト先発の高橋奎二は初回から5回までは毎回、走者を背負う投球だったが、尻上がりに調子を上げ、8回まで122球を投げて無失点。
その裏、ヤクルトは二死二塁からホセ・オスナがライトへのタイムリー安打を放ち、貴重な2点目を挙げ、2-0とリードした。

高橋奎二は9回もマウンドに上がり、3番・吉田正尚をショートライナー、4番・杉本裕太郎をライトフライ、代打のアダム・ジョーンズを空振り三振に斬って取った。
高橋奎二は9回を投げ切り、133球、被安打5、5奪三振、2四球、無失点の好投で、見事、プロ初完封勝利を挙げた。
6回以降に出した走者は四球の一人だけで、ノーヒットに抑える好投だった。

ヤクルトの投手が日本シリーズで完封勝利を挙げたのは?

ヤクルトの投手が日本シリーズで完封勝利を挙げたのは、1997年、対西武ライオンズとの日本シリーズ第1戦で、石井一久以来である。
石井一久はこのシリーズ、4度目の出場で、5試合目の登板(うち先発は2度目)となったが、9回を投げ切り、116球、被安打3、12奪三振、3四球、無失点に抑えて、ヤクルトは1-0で勝利した。
石井は第5戦でもリリーフで登板し、勝ち投手となり、シリーズ2勝を挙げて日本一に貢献している。
なお、石井は2001年の日本シリーズの第1戦でも近鉄バファローズを相手に8回、143球を投げ、5四球を与えながら、被安打1、12奪三振、無失点で勝利投手になっており、ヤクルトはこのシリーズでも日本一となった。

日本シリーズ初登板で完封勝利を挙げた投手は?

日本シリーズで過去、初登板で完封勝利を挙げた投手は12人いる。
高橋奎二は2008年の岸孝之(西武)に次いで13人目だが、ヤクルトの投手としては初の快挙、また、レギュラーシーズンを通じても初めての完封勝利を挙げたのも高橋奎二が初めてである。
また左腕投手では、1979年の鈴木啓示(近鉄)、2000年の高橋尚成(巨人)に次いで3人目である。

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「シリーズ初登板、完封勝利を挙げた投手」を擁するチームは日本一に?

ちなみに、「日本シリーズ初登板、完封勝利」を挙げた投手が所属するチームが日本一になったのは過去12回のうち、10回あり、優勝確率は.833である。

日本一を逃した2チームとは、1961年の南海ホークス(ジョー・スタンカ)、1979年の近鉄バファローズ(鈴木啓示)である。

高橋奎二のプロ初完封勝利で、ヤクルトはこのシリーズ、1勝1敗のタイに戻した。

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