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スクールカウンセラーの”先生”


#忘れられない先生


高校生の頃のお話。


心理学を学びたかった私は、大学に行こうとしていた。

行こうとした大学の心理学科は、とても狭き門で、一度夏のAO試験に落ちてしまった私は、そのまま次の試験を頑張るか 心理の科目も選択できる別の学科に行こうか迷っていた。

そして、何なら心理学を学ぶことすらも迷っていた。


人って一度試験に落ちるといきなり自信ややる気を失くしてしまうもんなんだな…と初めて知れたときだった。


「心理学を活かした職業に就いている人と話をして、それまでの道のりを聞いてみたら?」という周りからの提案で、


私は初めて ”スクールカウンセラーの先生” とお話をすることになった。



正直緊張したし、私のことを何も知らない人にあれこれ喋ったって分かってもらえないだろうという気持ちも確かにあった。

心理カウンセラーとはいえ、なんでも知ってる人!というわけではないのだから、なにを話して、どう頼るのがちょうど良い塩梅なのか、考えれば考えるほど分からなかった。


(こちらからお話の時間を作ってもらったにも関わらずこの気の持ちようなのはだいぶ失礼なやつだが…)



カウンセラーの先生と話す時間がきた。


入室してすぐ、和やかな雰囲気で待っていた先生。

「緊張しちゃうね~( ´ ▽ ` )ノ」と

(↑ほんとにこんな和やかな顔してた)

すぐに私の気持ちを察して話し出してくれた。


そこから今日時間をつくってもらった理由を説明をすると、一風変わったカウンセリングの内容なのだな、と先生はすぐに把握したようだった。


そこから、先生は

進路のこと親になにか言われたりする~?

周りのお友達に相談できてたりする?

そっか、周りのお友達もみんな悩んでいる時期か~


と、本題を分かっているはずの先生はずっと ちょっと違う話 をしてきた。



それでもどこか嫌な質問攻めではなくて、

ただ答えることが出来て、

ただお話をして、

でも自然と日頃の悩みや考えていることが整理されていた。


私は人を支える仕事がしたくて、お話をしながら理解しながら心に寄り添ってあげたいという気持ちが強くて、でも言葉にするととても自己満に走っているようで、友達に相談しようにも みんなも進路に迷っている時期だから難しくて…


私の心の中は 高校生の私にとって、

大きなしがらみを抱えていたのだった。



頭の中が整理され、

やっぱり心理カウンセラーってすごいんだなぁ~なんでも話せちゃうもんだなぁ~と思ったその時だった。



「私に結構 お話できてるわね?」と

嬉しそうに先生は言った。


考えていることがバッチリ同じタイミングだったので驚いたが、私は笑って頷いた。


先生は続けた。


「ありがたいことに私はあなたにとって、話がしやすい相手だったみたいだけれど、あなたの周りの友達も、あなたに『話しやすいから』という理由で話をしてきているはずよ。」


「あなたは、いつでも誰かのカウンセラーなの」


「職業にするもよし!だけれど、仕事にしなくても あなたはあなたで輝いているし、あなたはあなたなりに人を照らしているはずだからね」

「あなたのやりたいこと、人を支えたい気持ちや優しさは 何もせずとも あなた自身から溢れ出ているから、そこは忘れないでね」


「私もあなたと話せてよかった。あなただから今日こうやって話せたのよ( ´ ▽ ` )ノ」




私はそのまま、その部屋で泣いた。

カウンセラーの先生は、

「私も泣いちゃいそう~!」と笑っていた。



高校生の私には、なんでもない大人が必要だった、

私のことを詳しく知らない大人が欲しかった。

聴いてくれる大人が欲しかった。

それでいて、肯定してくれる大人が欲しかった。


そして、こんなにも自力じゃ解決できない悩みを抱えているとは思っていなかった。


進路問題。初めて抱える大きな悩みの種だった。

あのとき、先生に出会えてよかった。


あの日にもらった言葉は忘れません。


その後、私は心理を学ぶ道には進まなかったけれど、

あの頃から 思う気持ちはそのまま抱き続けているし、



いつでも誰かのカウンセラーでいるつもりだ。




話してよかった大人。

スクールカウンセラーの先生

ありがとうございました。



そして、スクールカウンセラーの先生を職業としている皆さん、あなたと話せてよかったと思う学生さん、絶対にいますからね。


ありがとうございました。

そしてこれからも。

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