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過去の出来事をプラスに(精神疾患編)④

「あぁー、それは大変だよねぇ。」
「少し休んでもバチ当たらんと思うわ。笑」
「まず身体良くしてから次のこと考えよう。」

「ありがとうございました。」

今日、初めて深い話をした後輩は少し心が晴れた表情で足を前に踏み出していった。

あれから2年が経った。

自分は先日、開発プロジェクトの評価会を終えたところだった。
最近は業務をこなしながら、悩んでる後輩がいたら話を聞くことが増えてきた。

必ず、口にすること。

「クスリに依存するな。」

あれから、2年。
ついに自分は、クスリから脱却したのだった。

決心した日

家族に、友達に、先輩に、とにかく周りにおんぶに抱っこになっている日々。
感謝と同時に「これ、一生続くのかな、、、」と、いう不安がのしかかる。

それでも毎日、朝が来て、仕事をして、夜が来て、また朝が来る。

週末には朝から通院をして、長い時間待合室で待たされて、
帰ってくるのは夕方。

「、、、このままでいいのか?」

「、、、俺、どうしたいんだっけ?」

「ってか、どうなりたいんだ?」

ふと、自分の未来のことを考えた瞬間があった。

考えて、考えて、出た結論。

「これ以上、余計な迷惑かけたくない。」

それだけだった。
変なところで気を使わせたくないし、困らせたくない。

運がいいことに上司が変わってから、
仕事のコツも掴んで出来ることが増えていた。

また、なぜかこのタイミングで新任の後輩の教育係をすることになった。

当時は「なんで精神的に病んでるのに俺なんだよ、、、。」って思ってたし、
大変なこともあったが、学びや刺激があり、
今思うと結果的に気が紛れていたのかもしれない。

環境が変化していたからこそ、考え方も変わりはじめていた。

「よし、、、クスリやめるか。」

この日から、クスリを飲むことをやめた。

本当の朝日

「クスリをやめる」

簡単に言うが、そんなに簡単ではない。

やはり、寝れない。

次の日も、その次の日も。
なかなか寝れる日は来ない。

何度もクスリに手が伸びそうになった。
その度に「違う!これは違う!」
「これはなりたい未来じゃない!」
と、強く念じて距離を置いた。

それでも、同じようなことが続く。

このままじゃ、埒があかない。

思い切って、家にあったクスリを全て、
ゴミ箱に入れて燃えるゴミで出した。

「クスリがあるから迷うんだ。」

こうして、格闘すること1ヶ月後のとある土曜日の朝。


気づいたら、ベッドで朝を迎えていた。

「、、、あれ?寝てた?」

夜、布団に入ってからの記憶がない。
いつもは寝たり起きたりを繰り返していたから、
3時代の記憶とかが鮮明なのだが。

カーテンをあけたら朝日が上がっていた。

「あぁ、、、なんか懐かしい感覚。」
この日、2年ぶりに本当の朝日を見ることが出来た。

そこからは、不思議なことにパタリと不眠症がなくなり、サイクルが元に戻っていった。

「なんでなんだろう?」
正直、これは今現在、たくさんの知識を持っている身からしても理論的に説明ができない。

ただ、一つ言えることは本当に、
「病は気から」というのはあるんだなということ。

はっきり言って今思うとかなりの荒療治だと思う。
ただ、そこまでしたからこそ、長いトンネルを抜けることが出来た。

強いて言うとしたら、クスリを自主的に砕いたりして減らしてたのも大きいのかもしれない。
そのおかげで依存度が深くならなかったのかも。

そうは言っても相変わらず職場の忙しさや厳しさは続く。
ただ、自分は壁を乗り越えたことで自信になり、
結果的にパフォーマンスが一気にあがり、
この後推薦で昇格する
ことになるのであった。

そんな中、同じ苦しみを味わっている後輩を見かけた。

気持ちがわかるからこそ、声をかけていた。

「あぁー、それは大変だよねぇ。」
「少し休んでもバチ当たらんと思うわ。笑」
「まず身体良くしてから次のこと考えよう。」

そして、必ず最後にこう付け足す。

「休んでもいい、けどこれだけは誓って。」
「クスリに依存するな。」
「君の周りの人が悲しむから。」

こうして、新しい日々を過ごしていく中で、
また新たな問題が来るのだが、
この問題がキッカケとなり
「薬学以外の改善方法」
『栄養学とメンタルヘルス』

について知ることになるのである。


過去の出来事をプラスに(精神疾患編)
終わり

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