見出し画像

サブカル大蔵経539柄谷行人、奥泉光他『必読書150』(太田出版)

『三行で撃つ』で推奨されていた本書。

画像1

【柄谷行人】われわれは今、教養主義を復活させようとしているのではない。現実に立ち向かうために「教養」がいるのだ。カントもマルクスもフロイトも読んでいないで、何ができると言うのか。p.7

 そうか…。

【奥泉光】実際作られたリストを見てみると、なんというか、これ、一体誰が読むんだ(笑)と言う感じになったわけです。p.10

 名前は知ってるけど読んだことない本。

【柄谷行人】何か共通のベースを持たないと、お互いに話すのも難しい。そういう意味で、世界的に人が読むべき共通の文化的資産と言うようなものが必要だと思う。それは絶対的ではなく暫定的なもので良い。p.15

 世界でこれ全部読んでるの日本人のインテリだけでは?(笑)

【渡部直己】それまでわかっていたつもりのものが、このリストのうちの、特に人文系の1冊でも本気で読めば、地雷を間違って踏んでしまったように、良い方向に訳が分からなくなる。それでいいわけですね。p.20

 わけがわからなくなるために読む。わかったつもりが一番良くない。

しかし、もともと何も知らなくて、アリストテレスとアルキメデスの差もわからないと言うのは、ある意味ではリベラルなんですね。かえって妙な偏見は無い。p.22

 現代人ゆえのフラット読書。

【島田雅彦】入門書とか解説書の本は/流行の読み方だけをなぞってあるものが圧倒的でしょ。/理解したというふうになってしまう。だったらオリジナルのテクストを誤読するのが当たり前として、読んじゃえばいいと。結構、オリジナルのテクストには野蛮なところがいっぱいあって、読書のレベルに合わせてわかるところもあるし、わからないところもあるし。p.28

 やはり第一次資料を読む大切さ。

【柄谷行人】わかりやすいということは意味を限定するということです。/わかりやすいことで、必然的に、原文を裏切っている。p.33

 翻訳論。経典の現代語訳もそうかも。

【奥泉光】アウグスティヌス『告白』〈基督教思想が、オカルトの源流と係り〉p.60

 異端を生む装置としてのキリスト教。

【柄谷行人】キルケゴール『死に至る病』〈人が信仰に至ることなどありえないと書いてあるのだ。信仰していると思っている人も実は絶望している〉p.71

 信仰と絶望と。

【島田雅彦】ニーチェ『道徳の系譜』〈おのが本能に忠実であろうとする者は、その本能よりも速く走ろうとする。そこに倫理が生まれる。〉p.73

 本能と倫理と。

本書で紹介されていた150冊のうち、持っているのは30冊くらいでしたので、地元の本屋で入手できるもの文庫60冊を買い足しました。今年一年かけて読んでいきたいと思います。

画像3

この記事が参加している募集

本を買って読みます。