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サブカル大蔵経510筒井康隆『銀齢の果て』(新潮文庫)

名前が必要か?と思うくらい多くの登場人物がキャラをつくらないまま殺す筒井流。『霊長類南へ』がよぎる。

でも、読み終わると、一人一人の生き様がなぜか浮かぶ。キャラって、外見やセリフや能力だけではないんだなと思いました。

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老人の大半は悪人です。p.21

 現代の悪人正機。悪人とは。

殺されるのがいやなら殺すのです。p.30

 日常の中に浮かぶ極限。

老人を罪人としか見ていない口調。p.60

 そのテレビ番組は今につながる。

シルバー・バトル。p.108

 将来、このジャンルの格闘技出そう!

そうか。恐怖を味わえたか。やっと人間らしくなったわけだ。p.136

 筒井康隆と荒木飛呂彦

差別撤廃運動が差別になる。p.141

 筒井康隆、衰えず。

殺し合い、最近はもう、遠慮なしにスポーツ扱いだ。p.157

 笑った時、地獄が始まる。

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