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サブカル大蔵経808谷川俊太郎和田誠『ともだち』(玉川大学出版部)

ともだちって かぜがうつっても
へいきだと いってくれるひと。p.1

現在を予言したような一節から始まる。

ことばの力を再認識させられる。

ともだちって いっしょに かえりたくなるひと。p.3

この気持ち、よくぞ言語化してくれた。

ともだちって みんながいっちゃったあとも まっててくれるひと。p.7

しぶすぎる。

しかし、この絵本の世界は、ファンタジーなのだろうか。大人である自分ができていないことばかりなのではないだろうか。

だからこそ、この世間を照らす力がある。

数年前に購入した最強タッグの絵本。

すべてひらがな。

あらためて本の力を再認識。

もう一度スタートに、原点に。

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(表紙) 読み返すと、絵の力を再認識。

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(裏表紙)

ともだちって そばにいないときにも
いまどうしてるかなって おもいだすひと。p.9

自分にそんな人がいるだろうか。

これを浄土と呼ぶのだろうか。

わるくちは いったっていい、でも
かげぐちをいうのはよくないな。p.43

しかしかげぐちほど楽しいものはない。自分がされていても文句は言えない覚悟。

としがちがっててもともだちはともだち。p.55

子供と老人。鎌田東二『翁童論』を想起。

おかあさんと おとうさんも
ときどき ともだちみたい。p.57

子供にとっては鮮烈。楳図かずお的。

にんげんじゃなくてもときにはともだち。p.59

人間だけではない世界。表紙の犬も。

あったことがなくてもこのこはともだち。p.61

和田誠、デザインの冒険ぶち込んでくる。あらためて絵本は大人向けでもあることを再認識。

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