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サブカル大蔵経292田中洋二郎『新インド入門』(白水社)

カーストを打ち破る英語、コンピュータ、IT。牛肉とベジタリアン。〈変化するインド〉。今までのイメージが打ち破られていく企画としてのインド本。

世界の独立国・インドに滞在した著者の現地ルポであり、青春の書。意外とデータより体験された話が多かった。

著者はインド日本双方の誤解を解こうと奔走する。日本とインドは遠い。でも、これまでも縁があり、これからも。

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JNU大学マルクス主義の伝統p.43

 ナショナリズムと反政権の牙城。

スペシャルティー、ビール。p.66

 昔、インドを旅したとき、コーチンの街を歩いていたら、電気製品の展示場があり、ガードマンにその近くの暗い酒場に導いてもらいました。秘密のアジトみたいな雰囲気でした。

ショッピングモールの近くには必ずスラムを見つけられる。p.91

 ムンバイの宿に泊まって、部屋の窓の下を見たら一面スラムでした。洗濯カーストの地区のようでした。

インド人による英語文学は長い間軽視されてきた。

 〈国語〉のない国インド。

〈ジュガール〉という発想p.134

 本書での発見。インド人が暮らしていく上で身につける知恵。柔軟性のようなもの。

インドの日本人強制収容所、プラナ・キラ。p.161

 さらなる新発見。インドで日本人が収容されていた…。先日ウズベキスタンにもあったという話を聞いたばかり。不思議ではない。

インド人の反省。インドでは忘れられた自分たちの伝統を、遠い日本の人びとが覚えて、大切にしているという事実。p.179

 インド人に感謝される大黒や弁天など変容した神様の存在。

天下に名高い議論好きなインド人は、あらゆる質問を講演者に浴びせてくる。p.208

 この中で仏教やインド哲学が育まれたんでしょうね。瞑想はその逆張りなのか。

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