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サブカル大蔵経244岸部四郎『金融地獄』(いれぶん出版)

以前、吉田豪さんのインタビューでシローイズムを目の当たりにして本書を読んでいました。今回、再読して、その二日後に逝去の報道で驚きました。あの時、世界中で岸部四郎の話に耳を傾けていたのは私だけではなかったのだろうか。と思いながら。

「岸辺は全然、反省していない。自分に都合の良い事ばかり言っている」p.25

僕はいつも心の中でこう思っていました。「何が助けるだ。本当に助ける、ということは利息をとらないことだ!!」p.249

言い訳の凄み。なぜここまで怒られるスキを作れるのか?記者会見して欲しかった。

今、僕はこの原稿を書くことで、何とか再起の道を探ろうとしています。お金では失敗した僕でしたが仕事(役者としてタレントとして)では失敗したわけではありません。何とかチャンスは無いでしょうか。p.250

 媒体を提供したいれぶん出版とは?

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「そうですか…」とうなだれていました。p.21

 何かしようと思っても、さえぎられて、うなだれるしかないシロー。

いずれにしても、食べては寝て、食べて寝ての繰り返しで、ここのところ運動不足で体重も5キロほど増えてすっかりウエートオーバー気味で、全身にべったりと張り付いたような疲労感はいつまでたっても抜けないでいます。p.28

 太るということ。をあえて書く。

ある意味では、税務署は金融業者でも厳しい面があります。p.33

「本当に恐くて辛かったのは銀行やリース会社の取り立ての電話の方」p.104

ところがこのスンナリがいけなかったのです。僕の心の中には「お金は簡単に貸してくれるんだ」と言う甘い意識がこの初めてのマチ金融を利用した機に芽生えてしまったようです。p.76

 税務署や銀行の方がマチ金融より怖い。とのこと。なんかわかります。マチ金融のプロさを感じる。

この時から後に僕のメインバンクとなる北海道拓殖銀行との付き合いが始まりました。p.61

 なぜ、たくぎんだったのか?

僕の趣味は江戸時代の書物から明治以降の近代文学に移り、今度は夏目漱石でも世界をもっと理解したくて初版本や貴重な全集を集めるようになり、果ては世田谷の自宅の近くに小さなアパートを買いそこを漱石山房名づけました。p.63

 漱石山房という幻想が地獄に導く。

整理屋はターゲットに倒産や破産をすすめる。p.109

 助けにくる人ほど危ないという厳しさ。

番組終了後には毎日必ず反省会があるのですが、もう気がそぞろで反省会どころではありませんでした。p.120

 ルックルックの現場…。

Hさんの前で彼(上岡龍太郎)が、「Hさんは氏の出身ですよね。富士と言うのは京都市内の人間関係は京都とは言わないんじゃないですか」と冗談半分に言ってしまい、あっという間に落ろされたと言うエピソードもありました。p.158

 上岡龍太郎を推挙したのもシロー。

「一切喋らなくていい、『はいコマーシャル』のコメントの時以外、テレビに映ってない時はあくびしてても、へそだして寝ててもいい。余計な事は言わない。それが条件」p.158

 ある意味、現在のワイドショーの元祖。

多分、毎朝真面目に社員のように通ってくる岸部四郎のことを、日本テレビの人たちも芸能人として捉えてない部分もあったように思います。p.182

 日テレイズム?まさか現在、南原をそんな扱いしてないだろうなぁ…。

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