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サブカル大蔵経 日本編

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2022年3月の記事一覧

サブカル大蔵経993『『浄土真宗本願寺派葬儀規範』解説』(本願寺出版社)

本願寺派僧侶の葬儀教本も読んでみました。ひとつひとつの儀礼やお経について、その意味や経緯…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経992蒲池勢至『真宗と現代葬儀』(法蔵館)

真宗民俗学という貴重な研究。現場の儀礼への相対的な視点。失われたものから学ぶこと。教義や…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経990北塔光昇『仏教・真宗と直葬』(自照社出版)

葬式の必要性や直葬問題に揺れた約10年前に発刊された本書。先日、オンラインでの研修会で著者…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経988芳賀登『葬儀の歴史』(雄山閣)

日本仏教もともとは葬式仏教であったのではない。むしろ仏教本来の使命たる救済仏教であり、解…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経987新谷尚紀『日本人の葬儀』(紀伊國屋書店)

その時直系の組員たちは竹中組長の遺骨を代わる代わるしゃぶって報復を誓った。p.61 山口組か…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経986松尾剛次『葬式仏教の誕生』(平凡社新書)

仏教本来から逸脱した〈葬式仏教〉。 しかし、昔の日本の官僧は葬儀を忌避していて、葬儀とは…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経985菊地章太『葬儀と日本人』(ちくま新書)

今日は葬儀でした。 火葬場から帰ってきた遺族が「ここは、塩ないんだね」と話す声が聞こえてきます。 葬儀にまつわる風習は迷信として切り捨てていいのか。その背景と歴史。 ブッダは出家者の葬儀への関与を是認しなかった。出家者は修行に専念すべきであって、冠婚葬祭などの俗事にわずらわされるいとまはない。それは在家信者にまかせるべきだと説いたのである。さりとて葬儀そのものを否定したわけではない。そのことは、先程のブッダの言葉に続いて遺体の葬法がこまごまと述べられていることからもわかる。

サブカル大蔵経984奥村隆彦『葬墓民俗用語集』(アットワークス)

医師であり、五来重教室の生徒。 五来重先生を囲んで月一回拙宅でお話を聞く会を持つようにな…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経983五来重『先祖供養と墓』(角川ソフィア文庫)

インドの尺度で日本の仏教を測ろうとしても測れないわけです。p.103  インド原典主義、文献…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経982圭室文雄『葬式と檀家』(吉川弘文館)

檀家という言葉こそ、今最もイメージの悪い言葉のような。寄付とか、面倒くささとか、それ以上…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経981川村邦光『弔いの文化史』(中公新書)

民俗学の圧倒的真実の迫力が久々伝わる。 宗派よりも弔いの方が尊いなと。 「とむらふ」こと…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経980中上健次『枯木灘』(河出文庫)

関わりたくない物語を覗く感覚。その忌避は自分そのものでもあった。 「わしの子じゃ」/その…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経978内田百閒『冥土・旅順入城式』(岩波文庫)

【短夜】 赤ん坊が死んでしまい、狐だと思った女はその為に気絶したp.80 【白子】 私は一人の…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経977有島武郎『一房の葡萄』(岩波文庫)

童話と思って馬鹿にしてたらガツンと殴られた短編集。夢野久作や宮沢賢治よりも恐怖な文体。アリス的?まことちゃん的? 読んでいて、かなり気持ち悪くなるのは、子供特有と思われていた残酷さや身勝手さが、何ら変わらず私の根っこに在るということを突きつけられたからでしょう。 表紙にも「人生の真実が明暗とともに容赦なく書きこまれており」とあります。有島武郎は我が子に本書を書き遺したらしいが翌年に自殺したということは、自身の懺悔だったのかなと感じました。そういえば札幌の有島武郎記念館行っ