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サブカル大蔵経984奥村隆彦『葬墓民俗用語集』(アットワークス)

医師であり、五来重教室の生徒。

五来重先生を囲んで月一回拙宅でお話を聞く会を持つようになり、辞めるまでほぼ一年続いた。p.160

こういう方が、日本の民俗学を支えているのか。

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【紙封じ】死者がでると、家の神棚に白紙で封をする。神が死の穢れに染まるのを避けるため。p.17

 どうしたらいいか、よく質問されます。こういう言い方があるんですね。私はわからないので、どうしたいかをお伺いして、一緒に考えています。

【四十九の餅・笠の餅】
四十九の餅は死者の体の部分を表したものである。/客はこれを両手で受け取る。/これらの餅は死者との共食で、餅は依代である。p.29

 餅の呪術性。私も他はこだわらないんですけど、お餅だけはお供えしてねーと話すんですが、カニバリズムだったのかな?

【通夜】モガリ儀礼の現代化。p.40

 通夜はモガリのなごり。もともと何日もしていたことを一夜に縮めたのか。モガリとは、死者の魂を閉じ込めて、一瞬に過ごすという期間なのかなぁ。私も今の状態がモガリなんだなぁと腑に落ちましたま。

【盛物】霊具で、菓子と果物と団子の三種。p.57

 こちらではお供えはおもちがほとんどですが、だんごも食べたい!禅宗さんとかはだんごが多いイメージ?あれもヒトガタという話も聞いたことあります…。

【湯灌】黒衣は下級僧侶で、入棺坊主や黒坊主に当たる。ニッカン坊主ともいう。ニッカンとは湯灌のことである。p.58

 ニッカンスポーツ以外にニッカンという言葉があるとは…。湯灌をする坊主。今は坊主はしなくなりました。その辺りの分業は…。これこそ釈尊涅槃の時の遺体処理を誰がするのかと近いような…。

【両墓制】弔いあげが終わると、詣墓へ行くようになる。p.61

 両墓制、バリ島の風景を思い出します。お骨は海に流して、家の敷地や辻にお供え所がありました。地元の方に、日本と同じでしょ?と言われました。

蓮如の墓は、『大谷本願寺通紀』に、骨を収めた上に松の植えられたことの記事を報告している。p.95

 蓮如上人は樹木葬?

信者(受者)は、一度死んだ証拠に、戒名(法名)をうけるのが特色であるp.106

 おかみそりは死と再生。殺される。新日本プロレスの道場に入る時と同じだ。

板敷きの上に寝かせられた病人と同じ高さにするためである。p.150

 大原三千院の低い位置の弥陀三尊。使用されるフィギュアとしての仏像と臨終の結び。源信のターミナルケア。


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