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サブカル大蔵経987新谷尚紀『日本人の葬儀』(紀伊國屋書店)

その時直系の組員たちは竹中組長の遺骨を代わる代わるしゃぶって報復を誓った。p.61

山口組から、はないちもんめまで。
ザ・民俗学。
世界は民俗学に包まれている。

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四十九日の餅の儀礼の中にことさらヒトガタ(人形)のイメージが伝えられているということは、もともとこの四十九日の儀礼こそ死者の遺体の処理の時点で行われるものであったことの残影ではないかということである。p.60

四十九日は二度目の葬儀で、
お餅は遺体の代わりか?

「ケガレ」の価値の逆転、読み替え。p.93

「葬列の人が捨てた草履を履くと丈夫になる」
「水死体を拾うと漁があたる」
ひょっとして僧侶姿の私に、赤ちゃんの抱っこを頼まれるのも同じことか?

天皇の霊魂は和んだ。p.142

「遊部」(あそびべ)の由来。霊を和ます。

十五日にいよいよ葬送である。p.181

一条天皇の葬儀の記録。葬儀まで15日間。ドライアイスなき時代どう保存したのか。即身仏は、火葬へのメッセージか。

浄土真宗の家ではみな火葬であるとか、忌明けの祓いを修験者をたのんで行うようなことはしない。p.218

越前長岡の〈門徒物知らず〉の例。

多くは七年目にコツアゲ(骨上げ)といって埋葬地点を掘り起こす。コツアゲをしないと埋葬墓地がいっぱいになってp.258

白浜海岸の土葬墓地。今と変わらない墓地土地問題。

石女はこの世では楽でもあの世では地獄へ突き落とされる、などといった。p.348

「はないちもんめ」の〈あの子が欲しい〉の源流、鬼婆の源流の悲しみ。

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