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サブカル大蔵経 日本編

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2021年9月の記事一覧

サブカル大蔵経816本橋信宏『ベストセラー伝説』(新潮新書)

『全裸監督』『出禁の男』と、コクのある男たちの評伝で名を馳せた本橋信宏さん。 私は『フ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経815橘令『言ってはいけない』(新潮新書)

現代の私はどういう時代を生きているのかという不安。 自分だけが置いていかれているのでは。…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経814中森明夫『寂しさの力』(新潮新書)

「おたく」の命名者として名高い中森明夫さんは私の世代より少し上のイメージで、「噂の真相…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経813伊集院静『無頼のススメ』(新潮新書)

「頼るな、倒れるな。」の帯。 初読した時はめくるページみんな名言に見えました。周りの方の…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経812岡崎守恭『自民党秘史』(講談社現代新書)

政治というと、政治家の生臭いイメージがありますが、三人寄れば政治が始まる、とも言え、実は…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経811田崎史郎『安倍官邸の正体』(講談社現代新書)

この本を読んで、安倍首相に寄りすぎている、批判が足りないと思われる方が多いかもしれない。…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経810金森修『動物に魂はあるのか』(中公新書)

新書の範疇を超えた問題作。 いや、本来の新書の役割を想起させるような一冊という気がしました。 蝉が壊れた。この言葉を発した途端、大声で叫んでいた女子学生がいたっけ。p.5 『人形論』や『ゴーレム』の金森イズム満載の遺作ともいうべき入魂の一冊でもあります。 マルブランシュを見てうれしそうに近寄ってきた雌犬を、マルブランシュは出し抜けに蹴っ飛ばした。その雌犬は妊娠していたが、彼に蹴られて哀しそうな声を上げて遠ざかっていく。(中略)マルブランシュ「おやおや、あなたは知らない

サブカル大蔵経809豊島修『死の国・熊野』(講談社現代新書)

この時代の現代新書が大好きです。 クリーム色の表紙。杉浦康平の装幀。 カバー裏にある現代…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経808谷川俊太郎和田誠『ともだち』(玉川大学出版部)

ともだちって かぜがうつっても へいきだと いってくれるひと。p.1 現在を予言したような一節…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経805梅棹忠夫編著『日本文明77の鍵』(文春新書)

日本を外国に紹介する時、何を伝えるか。まず梅棹忠夫は【1 群島】からはじめた。 小山修三、…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経804浅井建爾『道路のはなし』(ソフトバンクビジュアル新書)

今日葬儀だった父親は、長距離運転を厭わない人で、母の実家の京都と北海道をよく車で往復して…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経803藤田哲史『ドローン空撮で見えてくる日本の地理と地形』(実業之日本…

久々、マニアックな著書と出会えました。街角図鑑と同じ実業之日本社に納得。ドローン映像の綺…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経802大塚公平『漫曲グラフィティ』(彩流社)

「少年チャンピオン」は、なぜ語られるのか?壁村さんと茜で飲みたくなりました。「週刊ファイ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経801白取千夏雄『『ガロ』に人生を捧げた男』(興陽館)

「ガロ」は「ゴング」と似てるのかな?  サブカルの漂流を体現したような。  どうしてそうなってしまったのか。読んでみてもその答えはわかりませんでした。  一冊の雑誌の運命に命をかけた枠物語。  表紙は古屋兎丸先生の挿画。 「編集ってのはさあ、表に出て偉そうなこと言ってる奴にロクなのはいねえんだよ」p.63  長井さん曰く。水木しげる描く長井さんの飄々としたイメージと出版の世界を生き抜く強さのギャップ。 ガロが果たしてきた役割は60年代、70年代、80年代、90年