腰痛が驚くほど軽くなる!3分でできる腰痛解消ストレッチ
私たちは一日をいろいろな姿勢で過ごしていますが、目覚めている時間のなかで考えれば、座っている時間が圧倒的に長いはずです。座る姿勢というのは立っているときと比べて楽に感じますが、それは脚の筋力を使わないためで、実は腰=椎間板には大きな負担が掛かっています。
姿勢による椎間板に掛かる圧力を調べた実験によると、まっすぐ立っているときと比べて座って前傾姿勢をとると1.85倍の圧力が椎間板に掛かっています。
座っている時に腰に負担が掛かると言われる理由は、座っているときのほうがバランスを取りやすいため、不自然な姿勢も取る事ができるからです。
その結果、腰椎が後湾(こうわん…後方へ突き出る状態)しやすいからです。後湾になると、上半身の重さは背面の筋肉や靭帯に吊り下げられる形になります。
この姿勢を長くとることによって、負荷の掛かった筋肉は固くなり、腰痛や肩こりの原因にもなります。
また椎間板が変形を起こし、椎間板ヘルニアの原因にもなります。
デスクワークをする人にとって腰痛は職業病のようなものです。
姿勢を良くしようとしても続かなかったり、イスやクッションを変えてみても、なかなか改善されません。仕事の合間にストレッチや体操をしても少し楽になる程度です。
しかし、あるポイントを押さえてストレッチをすると、その効果は何倍も上がるのです。そこで、デスクワークの合間にイスに座りながら1~2分でカンタンにできるのに、効果が絶大な3ステップの腰痛解消ストレッチを紹介します。
デスクワークで腰痛になる理由は「体を動かさなすぎている」ことだった
私たちの体はパソコンの前に1日8時間も座ったまま仕事をするように進化してきたわけではありません。このような生活が習慣になったのは、ここ数十年の話です。
例えば、アフリカのタンザニアに住むハッザ族の人々は、一生、腰痛にならないそうです。
彼らは未だに狩猟採取の生活をしています。一日中、獲物を採るために、何十キロと歩きまわります。腰の筋肉にかかる負担はデスクワークの比ではありません。
しかし、ハッザ族の人々を調査したところ、彼らは腰痛になることがないのだそうです。ギックリ腰になることもないそうです。
私たち人間は現在のような体を獲得するために、長くハッザ族の人々のような生活を営んできたはずです。
1日に何時間も歩いたり、走ったり、ときには木に登ったりもしていたかもしれません。そうした生活をつづける中で、何千年、何万年とかけて体を進化させてきたのです。
デスクワークによって腰痛になる原因は、イスに座ったまま長時間ずっと固定させていることで、腰回りの筋肉が固まってしまうのです。「でも、私は毎日30分歩いて通勤をしています。休日にはジョギングをするようにもしています」という人もいますが、残念ながらそれでも全然足りません。「30分歩いたあとに、2~3時間座りっぱなしでいたら、その効果はほとんど打ち消されてしまう」というデータもあるほどです。
子どもたちは「ジッとしていなさい」と言われても、止まっていることができません。動物もずっと動き続けています。
それが、本来の体の自然な欲求なのです。
家事やデスクワークの合間にイスに座りながらできる3ステップの腰痛解消ストレッチ
「今まで家事や仕事の合間にストレッチや体操をしてきましたけど、効果がありませんでしたよ」と言う方もいるかもしれません。それは、正しいやり方でなかったからです。
今から説明をするポイントを抑えてストレッチをすると、腰痛はその場で驚くほど軽くなります。そして、続けていくうちに、どんどん腰痛になりづらくなっていきます。
まず、知っておいていただきたいことは、腰は3つの動きしかできないということです。
1.前後 2.左右 3.回転
この3つの動きが組み合わさって起こることで、人間は色々な動きができます。腰の動きを良くしたかったら、固まっている腰の筋肉を柔らかくして、腰痛を改善したいなら、この3つの動きを良くすることです。どれか1つの動きだけが良くなっても、効果が得づらい場合があります。
スタンダートポジション
これから行うストレッチの基本の姿勢になります。
背筋を伸ばし、写真のように肘が出来るだけ体の真横に来るようにしてください。この姿勢から次のステップに移っていきます。
ステップ1. 前後
スタンダートポジションの姿勢から、息を「ふーっ」と吐きながら背中を丸くしていきます。
ポイントは、おへそを見るようにすることです。
次は、後ろに向かって息を「ふーっ」と吐きながら背中を反っていきます。
胸を開いていく意識を持ちましょう。
ステップ2. 左右
スタンダートポジションの姿勢から、息を「ふーっ」と吐きながら、体を右側に倒して行きます。この時、左側の体の側面がストレッチされているような感覚があると、とても上手く出来ています。
次に左側に息を「ふーっ」吐きながら体を倒していきます。この時も出来るだけ右側が伸びるように倒してください。
ステップ3. 回転
スタンダートポジションの姿勢から、自分の真後ろを見るような意識で右側に出来るだけ体をねじります。
この時も息を「ふーっ」と吐きながらねじってください。
次に、息を吐きながら左側に体をねじっていきます。無理をしない程度にゆっくりねじっていきましょう。
理想は「固まったな」と感じたときにストレッチすること
このストレッチはやればやるほど効果があります。理想は腰の筋肉が固まってきた、腰がだるくなった、疲れてきた、と感じたときに仕事を一度中断して、このストレッチをすることです。
1回のストレッチに1~2分もかかりませんから、それほど支障はないはずです。
ただし、やり始めのうちは、長く動かしていなかった腰回りの筋肉が使われるので、筋肉痛になるかもしれません。その場合は無理をしないで、筋肉痛がおさまってから、またスタートしてください。
できれば立ってストレッチした方が効果は高い
なぜなら、長時間座っていたことで、その姿勢の状態で筋肉が固まっています。少しでもその姿勢を変えた方が、固定している筋肉が動くのでいいのです。
紹介したストレッチは、上半身はもちろん、下半身の筋肉も一緒に動きます。立った状態で、このストレッチをおこなうことで、腰につながっている太ももの筋肉まで動いて柔らかくなるので、腰痛も改善されやすいのです。
以上でストレッチは終了です。ポイントは「ゆっくり動いてストレッチをおこなう」ことです。
今回紹介したストレッチは非常に効果が高いものです。継続すれば、するほど腰の筋肉が柔らかくなっていきます。
デスクワークで腰痛になるからといって、仕事を辞めるわけにもいかないと思います。
しかし、このまま腰痛がひどくなってしまったら、本当に仕事を辞めざるをえなくなるかもしれません。それは困りますよね。だから、せめて休憩時間をこまめにとって、体をどんどん動かして、座りっぱなしで固まった筋肉を柔らかくするようにしてください。
あなたが腰痛の苦しみから解放されることを願っております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?