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だって、私にとってはそれが「臨機応変」だったのよ。

あるときから、ずっと、ずーっと考えています。

臨機応変って言葉って、ずるいよなあって。

「では、あとは臨機応変にお願いします!」って、誰しもが一度は言われたことあるんじゃないでしょうか。

臨機応変って、いったいなんなの???

「適当」ねぇ……。

Google先生に聞いてみたけど、明確な答えは得られませんでした。そりゃそうか。

私が「臨機応変」という言葉に違和感を覚えるようになったのは、新卒で正社員としてとある会社に入ったときのこと。

入社してから知ったのですが、その会社は新卒を採った経験があまりなくて、離職率がやべーくらい高い会社でした。私の同期は2日で辞めました。

そんな会社で社会人1年生をやっていた頃、毎日のように上司や先輩から言われていたのが、コレ。


「じゃ、あとは、臨機応変に!」


その会社にいたのはたった4ヶ月くらいでしたが、毎日のように、まるで挨拶かのように耳にしていた気がします。

「マニュアルに書いていないことは、その場で臨機応変に。」

どこの会社でも、どんな世界でもよく聞くセリフですが、その会社は人を育てた経験が少ないこともあり、「臨機応変に!」で済ませていることが多めだったんですよね。


入社から1ヶ月。
初めて1人で実務に入ったとき、ちょっとしたトラブルが起きました。

その頃はいわゆる現場仕事的な業務をやっていて、たまたまその日は先輩も上司もその場はおらず。対応できるのは、よちよち歩きの私ひとりだけ。

でも、目の前で事はどんどん進んでいくし、「持ち帰って検討します!」とか「上に電話で確認します!」もできない状況でした。ぴえん。

ペーペーの新卒だけど、仕方ない!と腹括り、私なりの最終奥義・「臨機応変!」を繰り出しました。


……が、お察しのとおり、どうにもならず。

後ほど上司や先輩に報告をすると「もっと臨機応変に対応しないと!!!」と、しこたま怒られました。

それからも、そんなことが度々続き「臨機応変に!」「臨機応変に!」と怒られ続ける日々でした。


私にとっては、いつだってそれが、精一杯の「臨機応変」だったんだけどな。


その会社を辞めてからも、似たようなシーンには、未だにちょくちょく遭遇します。

イレギュラーなことが起きたとき、誰しもが自分なりの「臨機応変」で対応するはず。

それが相手に希望に叶えば「臨機応変」に対応できたことになるし、求めていたことと少しでもズレればただの「間違えたヤツ」になる。


世知辛いなあ〜〜〜〜!!!と思うんです。

もちろん、相手の意図を汲み取る努力って大事だし、そこを放棄するのはよくないかなって思います。

でも、私、エスパーちゃいますんで。

人の頭の中なんか覗けないし、やってほしいこと、言ってほしいこと、1から10まで読めるわけじゃない。
上手く汲み取れてないときは本当に申し訳ないけど、私なりの最善策を尽くしているのよ。

なにか問題が起こったとき、対処法としてどのカードを引くのか、というか、そもそもどんなカードを持っているのかって、人それぞれ違うじゃん???

これまでの経験とか価値観とかで、何億通りもカードが存在するわけで。


……とか偉そうにいいつつ、私も人にものを伝えるとき「その場の雰囲気に合わせて」とか「様子を見て」とか、それはそれは曖昧な言葉遣いをしていることが多々あります。

ただ、相手が自分の期待と違うアクションを示してきたときも「臨機応変に!」と突っぱねるのは、やっぱり避けたい。

だってそれは、相手にとっては精一杯の「臨機応変」かもしれないもんね。

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