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「産んでくれなんて頼んでない」私と父の思考がそっくりで安心した、20代最後のゴールデンウィーク。

もうひと月以上前のことになりますが、ゴールデンウィークに、両親がうちに遊びに来ました。

そのときに父の話を聞いて内心ビックリしたことがあったので、今さらながらnoteに残しておこうと思います。


ー 「産んでくれてありがとう」と思えない私は、薄情者だろうか。

ドン引きされることを覚悟のうえで申し上げますと、私、あんまり両親に対して「産んでくれてありがとう」とは思えないんですよね。

両親が嫌いなわけではなく(むしろ好き)、小さい頃から好きなことをやらせてくれて、応援もしてくれて。

共働きの両親だったので平日はちょっと寂しかったけれど、夏休みには毎年旅行に連れて行ってくれたし、家族で過ごした思い出は本当に素晴らしいものです。

そういう意味ではすごく感謝していて「大事に育ててくれてありがとう」って心の底から思ってます。


けど、「産んでくれてありがとう」は、ちょっと違うよな、と。


実は私、来月で晴れて(?)三十路を迎えます。
ですが正直、30年近く生きた今までに「産まれてきてよかったな」って思える瞬間に、まだ出会えていないのです。

「生きててよかったなあ〜」と感じたことは多分あるけど、「産まれてきてよかった」とは、なんか違うような。屁理屈ですかね。

だって、人生って本当にツラい。

自分の力ではどうしようもないことで、悲しくて苦しい思いをしないといけないこと、たくさんあるじゃないですか。

これまで人間関係のこと、お金のこと、将来のことでたくさん悩んできて「もう死にたいな」「消えたいな」って思ったこと、数え切れないほどあります。

「産んでくれ〜!」って頼んだわけでもないのに地球に人間として産み落とされて、自分の意思とは関係なく歳をとって大人になって、責任を問われるようになって。

自分の意思とは関係なく誕生してしまっただけなのに、「自己責任」とか「ちゃんとしろ」とか言われるの、ぶっちゃけめちゃくちゃ理不尽だよなって思ってしまう自分がいます。

それなら、私の人生、そもそもスタートさえしなくてよかったわ!って。

けど、産まれてしまったからにはもう母のお腹の中には戻れないので、少しでも「楽しい」「嬉しい」と感じられる瞬間を増やせるよう、足掻いている毎日です。

こんなひねくれた考え方、本当によくないですよね。

「産んでくれてありがとうって思えない」なんて、大多数の人に本気で引かれる自覚があったので、夫以外の人には誰にも話したことがありませんでした。

どんなことでも赤裸々に書いてきたnoteでさえ、この話は書けなかったんです。
私の両親、多分、私のnoteを読んでいるので。(笑)

でも、父のある言葉をきっかけに、正直な気持ちを書いてみようと思えました。


ー「産んでくれ」なんて頼んでねぇ!って、何度も思ったよ。

ゴールデンウィーク中、私・夫・父・母の4人でお酒を飲みながら、色々な話をしました。

けっこう酔っ払っていたので脈絡は覚えていませんが、気づけば話題は父の両親・弟(つまり私の祖父母と叔父)の話に。

詳しいことは割愛しますが、父方の祖父母・叔父とはちょっと色々あって、そのことで父はけっこう苦労してきてるんですよね。

そんな中、父が漏らした言葉に、ビックリしてしまったんです。

「自分の親のことだから、ちゃんと面倒見てやんなきゃって思ってるよ、親孝行しないとって。

でも、産んでくれなんて頼んでねえよ!って思ったこと、何回もある。
頼んでもないのに親の都合で勝手に産まれて、なんでこんな思いしなきゃなんねぇんだって。

こんなこと考えるのは、酷いかもしれないけど。」


私の頭の中を覗き見て代弁しているのかと思うほど、私の思考とまったく同じ言葉が出てきて。

4人の中で唯一私の思考を知っている夫は、思わず隣で笑ってしまっていました。
「どっかで聞いたセリフだなあ」って。

そんな父の言葉を聞いて、なんだか少し安心した気持ちになったんです。


ー「産んでくれてありがとう」と思えない私の心も、きっと罪じゃない。

「産んでくれなんで頼んでねぇよ」

すごく冷たいセリフに聞こえるけど、父の言葉を聞いて、私はすごく安心したんです。

なんだ、私と同じか。というか、私が父と同じなのかって。

「産んでくれてありがとう」と心の底から思えない自分はダメな気がして、すごく悪いことを考えている気がして、ずっとずっと罪悪感がありました。

けど、実の父親が同じこと考えてるなら、別にもうよくないか?って。

そういう考えとか価値観も、別にそんなに否定する必要はないのかもしれない。
もちろん、声を大にして言いふらす必要はないけど。

私の思考が父とそっくりで、まさに父譲りのものだと知って、なんだかすごく許された気分になったのです。

なんだ、お父さんもそうだったのか。
私だけではないのか。

私が「産んでくれてありがとう」と思える日が来るのかは分からないけれど、そんなちょっと尖った(?)思考を持った父と、そんな父を受け入れている母に育ててもらえたことは、本当にラッキーだったな。

そんな小さな気づきがあった、20代最後のゴールデンウィークでした。

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