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偶然見かけた後輩から、勝手にパワーを分けてもらった。
たった今さっきのこと。
通勤中の埼京線のホームから、駅員としてアルバイトをしている音大時代の後輩を、偶然見かけました。
線路の脇の、明らかに一般人が通れる道じゃない場所を、トロンボーンのケースを背負って歩いている人がいる。
「なにごと?」と思って目を凝らすと、音大を卒業後、フリーランス奏者として活動しながら、大好きな鉄道の仕事をしている後輩でした。
「後輩」といっても、ちょうど私と入れ替わりで入ってきた代の子で、関わりはほとんどないのだけど。
日曜日の朝、従業員専用と思われる道を、トロンボーンを背負って小走りで出ていく後輩。
きっとこれから、音楽の仕事に行くのでしょう。
時間ギリギリなのかな、急いでいるのかな。
向こうは絶対に私に気がつくはずないので、勝手に後ろ姿を「いってらしゃい」と見送って、なんだかとても明るい気持ちになりました。
好きなことを仕事にしている後輩、すごく素敵だなぁ、と。
以前、彼が出演するトロンボーン四重奏のコンサートを聴きにいったときのことを、ふと思い出しました。
クラシック音楽が並ぶプログラムの中に、あまり聞き慣れないタイトルが目立ちます。
「これなんの曲?」と思っていたところ、演奏がはじまると、なんとそれは彼が自らアレンジした駅メロメドレーでした。
しかも、きちんと本物の駅員さんの帽子を被って、各路線の特徴を絶妙に捉えたアナウンス付き。
あまりのクオリティの高さに、会場が沸いていたのをよく覚えています。
それは誰でもできることではなく、音楽も鉄道も好きな彼だからこそ作れるエンターテインメントです。
音楽と鉄道、好きなことを掛け合わせて生きているって、なんて素晴らしいことだろう。
「鉄道好きのトロンボーン吹き」という情報以外、私は彼のことは大して知らないけれど、トロンボーンを線路脇を歩く今朝の彼を見て、「すごいなぁ」と尊敬の気持ちが湧きました。
みんな、きっと苦労はあれど、それぞれのやり方で頑張っているんだな。
5日ぶりに会社へ向かう少し憂鬱な気持ちの通勤中、「好き」をかたちに頑張る後輩を見て、パワーをもらいました。
よし、私も今日も頑張るか。
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