「僕の矯正が成功したら」本田圭佑さんから出資希望を得た裏側【資料全公開】
Nice to teeth you! Oh my teeth CEOのMakotoです。
先日、経済コンテンツ・プラットフォームPIVOTのリアル投資ドキュメンタリー「ANGELS」に出演させていただきました。
▼早速反応ありうれしいです!
落選からはじまったANGELS出演への道のり
実は、僕はANGELSに一度落選しています。
最初に僕が応募したのは、すでに配信されたエピソード2(全編英語のもの)でした。
落選後、以前からピッチコンテストでお世話になっていたデロイト トーマツ ベンチャーサポートの斎藤さんから「PIVOT CEO 佐々木さんに本気でピッチしてみないか?」と出演の打診が。
ANGELSは、世界を志す日本の起業家を幅広く対象としていますが、エピソード3では、「斎藤さんが注目している起業家」が裏テーマだったそう。ありがたいことにお声がけいただいたのが、今回出演したきっかけでした。
「これじゃ、本田さんは動かないよ」
ANGELS出演決定の連絡を受けた当時、僕はICCサミットの「D2C&サブスク カタパルト」というピッチバトルの準備をしていました。
▲ICCピッチについてのnote。
ICCサミットで優勝を掴むことができた僕は、「これをベースにピッチを作ろう!」と、ANGELSに向けて準備を進めました。
ICCでの7分間のピッチをANGELS版の3分間に仕上げた僕は、一度、斎藤さんに聞いていただくことに。
自信を持って仕上げたピッチ。しかし、斎藤さんからのフィードバックは、次の一言でした。
甘かった。
正直、「ピッチバトルで優勝した内容だから大丈夫」という考えが見透かされたようで、自らを強く恥じました。
「どういう世界を作りたいの?」
ICCのピッチを短くしただけの内容では、3分間という限られた時間で伝えるべき「Oh my teethの未来のビジョン」が見えていませんでした。
ここで僕は、Oh my teethがどういう世界を作っていきたいのかを、はじめて力説しました。
すると、「この未来構想は、絶対ピッチに盛り込んだ方がいい」と。
このアドバイスのもと、ピッチで僕らのビジョンを明確に示すための修正に入りました。
たった1つの「戦略」
僕はANGELSに向けて、たったひとつの戦略を決めました。
それは、
です。
説明が前後してしまいましたが、ANGELSは、起業家1人のピッチに対し、以下のような流れで進みます。
ジャッジは「ゴールド(出資希望)・シルバー(興味あり)・ブラック(興味なし)」のうち、どのカードを提示するかによって下されます。
ファーストジャッジは、あくまで第一印象を示すもの。最終判断となるのは、質疑応答の後のファイナルジャッジです。
つまり質疑応答がとても重要になる。ファーストジャッジですべてブラック(興味なし)でも、質疑応答の内容次第で覆る可能性は十分あるからです。
ジャッジを下すのは、第一線の投資家の方々。
▲僕が出演したシーズン3の投資家の方々。こちらが1言えば、10以上理解してくださるような方ばかり。
最初の3分間ピッチでは、あえて今の事業について語りすぎず、斎藤さんのアドバイスをもとに、未来のビジョンを十分に盛り込むことにしました。
ビジョンを語る中で、いくつかのパワーワードを盛り込んでいきました。
「2030年、日本人の4人に1人がOh my teethを体験している」
「時価総額1兆円」
「アジアNo.1のオーラルテックベンチャー」
こうすることで、投資家から、
という感情を引き出し、質疑応答で「本当にこんなことできるの?」という問いにバンバン答えていこうと考えました。
(パワーワードについては、こちらのnoteの「4. パート間の接続を気にしない」の部分でも紹介しているので参考にしてくださるとうれしいです!)
隙を作らない「100枚スライド」
今回、「質疑応答にすべてをかける」と決めていた僕は、3分間のピッチ資料とは別に、想定質問へ回答するための資料を万全に準備。
合計100枚ものスライドを持って臨みました。
内容は大きく以下の2種類。
どんなにすごそうなことを言っても、裏付けがなければ意味がありません。
結果的に使わなかった資料ももちろんあります。
しかし、質疑応答はただでさえ緊張します。そうした中でも、準備面の不安を最小限に抑えるため、資料は入念に作り込みました。
※ここまでがANGELSの準備に関する内容です。ここから先はネタバレを含みますので、まだ本編を見ていない方はご注意ください。
他にはない、難しさ
こうして迎えた当日。都内某所で行われた収録現場には大量のカメラが構えており、一気に緊張感が増しました。
加えて、通常のピッチにはない難しさがありました。
PCが手元にないので、話す内容の暗記はもちろん、質疑応答資料の順番もすべて把握しておく必要がありました。
(100枚準備したので、かなり大変でした・・・!)
「Zoom越し」で想いを伝えるには?
ついにはじまった3分ピッチ。
今回、投資家のうちお二人がリモート参加だったこともあり、画面越しでも十分に伝わるよう、僕はとにかく「熱量を届ける」ことに集中しました。
現場にいない相手に対し、どのように熱量を伝えるか。
そこに集中していたせいか、緊張感は薄れていきました。そして何より、他の登壇者のピッチを見ているうちに、大切なことに気付かされました。
「うまくやる」ことよりも、「従来の歯科体験を変えたい」という我々の想いを素直に伝えることの方が、はるかに重要であるということです。そうしてある意味で開き直ったのも、緊張しなかった理由かもしれません。
・・・とはいえ、映像を見ると思いっきり緊張しまくっていますので、ぜひ本編をご笑覧ください(笑)。
“欲しい質問”ばかりではない
3分ピッチのあとの質疑応答では、正直、欲しかった質問がなかなか来ませんでした。
実際に来た質問は以下です。
▲欲しかった質問が2割、それ以外が8割くらいでした・・・これらの質問に対する回答は後半の「おまけ」にまとめています。
特に以下のような質問に回答することで、事業の可能性をより理解してもらえる想定でした。これらを引き出せなかったのは、悔しかったです。
以下はこれらの回答に準備していた資料です。
今後の展開については、投資家の方から質問はされませんでしたが、斎藤さんが聞いてくださいました。
(ありがとうございます・・・!)
なぜ投資する必要があるのか?
僕がピッチ準備で意識しているのは、「なぜ今、自分たちの事業に投資する必要があるのか?」から逆算することです。
この3点については説得力を持たせるため、資料を厚めに準備しました。
ただ前述したとおり、僕は今回これらの資料をフル活用はできませんでした。どの情報を出し、どの情報をあえて出さずにとっておくのかは、本当に難しい駆け引きです。
これには正解はない気がしていて、「このあと本当に質問が来なくなったとしても後悔しないかどうか」で決めていくしかないと思っています。
本田さん「条件つきで出資したい」
悔しい思いを胸に押し込みつつ、迎えたファイナルジャッジ。
なんと、本田さんからゴールド(出資希望)をいただきました!!
ただし、条件がありました。それは、
というもの。
実は本田さん、Oh my teethユーザーなんです。
オープンにするつもりはなかったのですが、番組内でご本人からも触れていただいたので、経緯を補足します。
僕がANGELSエピソード2に応募したあと、本田さんからDMが届いたのです。
そしてその翌日!表参道ストアの歯型スキャンにお越しくださり、その場でOh my teethでの矯正を決意いただいたのです。
ゴールドジャッジをいただいたのはもちろんですが、本田さんから次の言葉をいただけたのが本当にうれしかったです。
「投資見送り」の理由
ジャッジにおいて、本田さんからゴールド(出資希望)をいただいた一方で、実はブラック(投資見送り)の評価一定いただく結果になりました。(収録では、最後にブラックジャッジの理由を聞いたのですが、尺の都合上カットされていたため、補足します)
その理由は「事業成熟度がすでに高く、個人投資としてはチケットサイズが大きすぎる」といったもの。
オーラルテック自体の可能性を肯定いただけたことは自信になりました。
ピッチのための「最大の準備」
僕が「勝負」と思っていた質疑応答ですが、8割近くは想定外の質問でした。
ただ収録後、投資家の方から「資料100枚作ってきた気合がすごい」と声をかけていただき、準備は無駄じゃなかった、やってよかったと思えました。
一方で、最大の準備は日頃から事業成長にコミットし続けることだということも、再認識させられました。
なぜなら、僕自身、日々事業のビジョンと向き合う中で、トライしてナレッジを溜めまくっている部分については、想定外の質問でも自信を持って答えられ、納得もしてもらえたからです。
もし見せ方や言い方だけにこだわった「ピッチのための準備」をしていたら、投資家の方から見透かされていたかもしれません。
ピッチ出場もうひとつの意味
「起業家は、日々事業のビジョンと向き合い、考え続けなければなりません。」とはいえ、何もかも不足しているスタートアップにおいてはどうしても目の前の業務に追われがちです。
そんな中、僕はANGELS出演をきっかけに、Oh my teethの未来のビジョンをよりリアルに描くことができました。
5年先、10年先のOh my teethから逆算して「今やっていることは未来につながっているのか?」を確認する機会をいただき、感謝しています。
Oh my teethの未来構想については、ぜひANGELSエピソード3の本編をご覧いただけたらと思います。あとほかのエピソードもどれもバチバチのやりとりありでコンテンツとしてもおもしろいですし、投資家との質疑応答もハイレベルで非常に学びがあります。
▼YouTubeでも公開されていました!
おまけ:質疑応答内容公開します
Oh my teethでは、Oh my teethのミッションに共感していただけるメンバー、投資家を常に募集しています。
このnoteは投資家の方の目にも入ると思うので、今回ANGELSで投資家の方から出た質問と、僕の回答をまとめておきます。
Oh my teethが目指す世界のイメージを膨らませてくださるとうれしいです。
Q. 矯正中のサポート体制はどうなっている?
オンラインとオフラインそれぞれ紹介します。
オンラインでは、24時間いつでも相談可能なLINEサポート。オフラインのOh my teethを専門に扱うクリニックにてサポートを受けられます。
特にOh my teethではオンラインでのサポート体制に強みを持っています。というのも、マウスピース矯正成功における重要な要因は「1日20時間以上の装着を続けられるか」。
続けるためには、毎日の装着管理と毎週の進捗管理が重要。しかし、従来の歯科矯正では装着管理はユーザー自身に委ねられることが多く、およそ3割*が挫折しています。
Oh my teethでは専属医療チームからの応援メッセージや毎日の装着リマインド、進捗の可視化により、ユーザーのモチベーションを管理します。
さらに毎週のマウスピース交換時は、装着写真をLINEで送信することで、ドクターがアドバイスを行います。
このような毎日の装着管理と毎週の進捗管理で、挫折させない仕組みを作り出しています。
結果、3割が挫折すると言われる中、Oh my teethの継続率は97%*と、ほとんどの方々が継続できています。
*自社調べ
Q. マウスピース矯正には限界があるのでは?
これは事実です。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも適応症例が限られており、Oh my teethも軽度〜中度の歯並びの乱れに対応したマウスピース矯正です。特にOh my teethでは「リモート矯正」というコンセプト実現のために、歯を抜く必要があるケースなどには対応していません。
各種検査を行った上で矯正プランが適応されないとドクターが診断した場合、治療をお断りしています。
治療をお断りしたユーザーへの対応は、次の質問の回答をご覧ください。
Q. 従来の歯医者はライバルになる?
ライバルにはなりません。理由は2点です。
1点目は、Oh my teethは従来の歯科矯正市場とは別の領域を攻めているからです。これまで矯正に踏み込めていなかった潜在層へのアプローチをしているのです。
事実、歯科矯正市場の8割が女性という中、Oh my teethのユーザーは6-7割が男性。海外在住の方や職業柄通院が難しい方に対して、歯科矯正の新たな選択肢になっています。
2点目は、既存の矯正歯科とは補完関係にあるため。実は、Oh my teethにはすでに40以上のクリニックと提携を結んでいます。
前述した通り、Oh my teethは軽度〜中度の歯並びの乱れに対応しています。メインターゲットは「定期的に通院する時間はなかなか取れないけれど、部分的でもいいからサクッと矯正をしたい方」です。
検査の結果、Oh my teethの矯正プラン不適合になった方や、通院しながらしっかり矯正したい方には、パートナークリニックを紹介しています。
さらに、Oh my teethをスタートするにあたり、虫歯治療や歯石取りなどのクリーニングが必要なユーザーさんも一定数おり、そういった方もパートナークリニックを紹介しているなど、一般歯科との連携体制も強化しています。
Q. 低コストを実現できているのはなぜ?
理由は2つです。
Oh my teethは最低1回の通院で矯正が可能。通院のたびにかかる人件費などの中間コストをカットできます。
さらに矯正範囲を前歯に限定することで、33万円という低価格を実現。Oh my teethユーザーの約9割が、部分矯正プランを契約しています。
Q. 今後の展望は?
まずは現在のD2C事業を70店舗に拡大し、歯科OS事業によって既存歯科への拡販を実施。歯医者の経営を効率化するインフラを構築します。
さらに2030年までにはアジアにも進出。「未来の歯科」を4人に1人が体験している世界を目指します。
おすすめガジェット
最後にガジェット好きとして、おすすめアイテムを紹介させてください。
僕は普段、化粧水を一切使っていないのですが、ここぞというときにだけ使うのが「ACP 時計遺伝美容液」。
理由は3つ。
投影資料とWe Are Hiring!
今回のnoteで、すこしでもOh my teethという会社やプロダクトに興味を持ってくださった方。我々といっしょに、未来の歯科体験を創りませんか?
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