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utmパラメータ最適化②「パラメータ付与ルールの作り方」

前回に続き、utmパラメータについて書いていきます。前回の記事はこちらです。パラメータ管理の方法についての内容でした。

これを踏まえて本記事ではutmパラメータに対してどのような値を付与するべきか、さらにどのようなルールをつくるとよいかについて解説します。


utm_sourceとutm_mediumは定義表でルール付けする

utmパラメータの付与ルールにはいくつものパターンがありますが、どの会社でもほとんど共通している設定箇所があります。それがutm_sourceとutm_mediumです。

utm_sourceの設定値はGA4の参照元名になり、utm_mediumの設定値はGA4のメディア名になります。流入メディアの判定にどちらも使われる重要な部分です。パラメータ値を自由に設定してしまうと流入元の分析が正しくできなくなるため、定義表で設定値に制限をかけるのが最も良い方法です。

自然検索流入やSNS経由の流入はパラメータ設定しなくても自動判定されるので定義する必要はありません。Web広告やメルマガなどの何らかの施策に対しての定義表をつくります。

Web広告の場合

Web広告の場合は、次のようなパラメータ値の定義表をつくるとよいでしょう。

Web広告に付与するutm_sourceとutm_mediumの定義表

広告媒体ごとにutm_sourceに付与する値をあらかじめ決めておきます。また、広告タイプごとにutm_mediumに付与する値も決めておきます。こうすることで同じ広告媒体・広告タイプでもパラメータ値が異なるといったことは防げます。

ちなみに、ディスプレイ広告のutm_mediumの値をdisplayではなくcpcやcpmにしている会社もあり、それらは間違いではありません。そのためか、ディスプレイ広告のutm_mediumの値にある人はdisplayを入れて別の人はcpmを入れているようなことが起きがちです。このような揺らぎが起きないようにどちらか一方を指定しておくことを推奨します。

また、Facebook広告やTwitter広告(X広告)のようなSNS広告媒体のみutm_mediumにはpaidを入れてください。GA4のデフォルトチャネルグループのOrganic Socialと明確に分けてペイドチャネルとして独立させるためです。

メルマガの場合

Web広告以外の場合でutm_sourceとutm_mediumを指定するケースはメルマガ内にリンクがあるときですが、細かく定義表を作る必要はありません。

  • utm_sourceにはnewsletter

  • utm_mediumにはemail

を指定すれば基本的には大丈夫です。何もパラメータを付けない場合は(direct / none)として判定されるので注意してください。

utm_campaignの値は複数の要素の組み合わせでつくる

utm_campaignは、どの集客経路からの流入か判定するために付与するパラメータです。ただ、utm_sourceやutm_mediumのように限られたパターンの中から値が決められるものではありません。

そのため、製品カテゴリ名や施策目的のように不変性の高いワードを数文字の半角英数字に変換してアンダースコア(_)でつなげてパラメータ値をつくります。

具体例

とある会社が一般消費者向けに教育サービスと人材サービスを提供しているケースでGoogle広告出稿する際のパラメーターを作る例で実際に考えてみましょう。

各サービスに相当する半角英数字を

  • 教育サービス:edu

  • 人材サービス:hr

と定義し、さらに施策目的ごとに

  • 新規リード獲得向け:lead

  • 休眠顧客向け:retention

と定義します。

このとき例えば教育サービスの新規リード獲得目的の広告に付与するutm_campaignパラメータには、

edu_lead_

の接頭辞をつくることができます。この後ろには広告キャンペーンIDや施策名を半角英数字で入れるなどして

edu_lead_1234567890

のようなパラメータをつくれます。

このように要素を組み合わせることで複数のパターンを重複なく網羅することができます。接頭辞を使って分析の際にフィルタをかけやすくなることも大きなメリットになります。

utm_contentとutm_termとutm_idは任意

Web広告の場合は広告IDをutm_contentに、キーワードIDをutm_termに、キャンペーンIDをutm_idに入れるなどして使うことがあります。ただ、Web広告以外の場合にこれら3種のutmパラメータを必ず入れる必要はありません。あまりルールが多すぎるとかえって間違いが起きやすくなるので任意としておいても良いでしょう。

注意点

utmパラメータに値を付与するときの注意点について補足します。以下のことに注意してパラメータ値をセットしてください。

  • 必ず半角英数字のみを使う

  • 記号は半角アンダースコア(_)のみ使う

  • スペースやハイフンは絶対に使わない

上記を守らなくてもパラメータは計測されますが、視認性が良くない点と計測エラーが発生する可能性がある点から非推奨です。

次の記事

次が最後の記事になります。いろんな会社のutmパラメータの値からどんなルールでパラメータを付与しているのか見ていきます。

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