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マーケティングでマネジメントする顧客期待値

​顧客が企業と出会い、サービスが提供されるまでの間に、顧客側が抱く期待値と実際のサービス品質の乖離は少なからず発生します。

マーケターは顧客の購買プロセス中で発生するGAPを可視化し、期待値乖離を無くすことも仕事の一つとなります。

上記を解決するためには、顧客がどのように期待値を構築し、どのタイミングで期待値と実際のGAPを認識するかを正しく理解し、それぞれのGAPに対して最適な改善を施すことが必要になります。

今回は、サービスをデザイン/マネジメントし、顧客の期待値を考えるポイントを解説していきます。

顧客期待値のマネジメント

サービスに対して期待値を抱いている顧客は、様々な情報源から期待値を構成します。それは、過去の経験や口コミ、広告などです。一般的に、顧客は受けたサービスと期待していたサービスを比較します。もし受けたサービスが期待されたサービスを下回った場合、顧客はそのサービスに対して失望します。もし受けたサービスが期待されたサービスと同等(それ以上)であった場合、顧客はそのサービスを評価高く何度も利用します。評価の高い会社は、その会社のオファリングに顧客の満足だけでなく、驚きという付加価値をつけることで、顧客を喜ばせます。

​​service-quality-model(サービス・クオリティ・モデル)

SQMとは「顧客へサービスが届くまでに発生するGAPを可視化し、提供するサービス(あるいは商品)と顧客の間の乖離をなくすためのモデル」です。

​企業が顧客へサービスを提供する間には、大きく分けて5つの期待値GAPが存在します。

引用:marketing management

GAP1​:customer expectation - manegiment perceptions gap(顧客の期待値と経営者の認識乖離)

経営者(マネジャー)は顧客の期待を正確に知覚するわけではありません。

(例)病院の管理者は患者はより良い食事を取りたいと思っていると考えていますが、​患者は看護師の責任感に懸念を感じている状態など

GAP2:manegiment perception and service-quality specifications(管理認識とサービス品質の仕様の乖離)

​経営者(マネジャー)は顧客の要求を知覚するにも関わらず、それをサービスパフォーマンスの標準としません。

(例)病院の管理者は看護師に対して"迅速な"サービス提供を伝えますが、実際は数分以内でのサービス提供となる状態

GAP3:​service-quality specifications and service delivery(サービス品質仕様と提供されたサービスの乖離)

​担当者の訓練が不十分である場合は、基準を満たすことができない、または満たすことを望まない状態となり、時間をかけてお客様の声に耳を傾け、迅速にサービスを提供するサービスの品質と相対的な基準に拘束される可能性が発生します。

GAP4:service delivery and external communications(提供されたサービスと誇大なコミュニケーションの乖離)

​顧客の期待値は会社の代表者や広告によって作られた声明や供述に影響を与えられます。

(例)もし病院のパンフレットに綺麗な部屋が掲載されており、実際に患者が病院に赴いた際、部屋がチープだった場合、誇大なコミュニケーションは顧客の期待値に対して失望を感じます。

​GAP5:perceived service and expected service(認識されたサービスと期待されるサービスの乖離)

このギャップは顧客がサービスを誤って知覚した際に起きるものです。

​(例)医師はケアのために患者に対して病院に通ってもらいます。しかし、患者はそれに対して何か本当は悪いことをされているんじゃないかと解釈する可能性があります。

上記のように、顧客がどのように期待値を構成し、どのようなプロセス・事象に対して期待値との乖離を知覚するのかを知らなければ、会社と顧客、従業員と顧客、サービスと顧客との間のコミュニケーションを改善することはできません。マーケターは顧客の期待を理解し、期待値と実態のGAPをなくすための努力を怠ってはなりません。

SERVQUAL Attributes

ここでは、上記の期待値GAPをなくすために企業が取り組む必要のある内容を紹介します。期待値乖離をなくす項目は”SERVQUAL Attributes”としてまとめられています。

経済活動全体をサービスとして考えることの重要性を認識し、顧客と企業のコミュニケーションを正しく調律することもマーケターの仕事ですので、取り組んでみてはいかがでしょうか。

Parasuraman et al.(1985)


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