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#14 講師に対する雑な扱い

教師という仕事をやってきて、すごく不思議なことがあります。

教師は教師を育てる義務がない、ということです。

大学を卒業したての教師、いわゆる新卒の教師の中で、採用試験に合格し、「正規採用」された新卒教師に関しては、指導担当の教諭が配置されます。

ただ、卒業年に採用されず、「講師」として働く選択をした「非正規」の新卒教師には、指導担当の教師なんてものは付きません。

ほぼ同じであるのにも関わらず、「正規」か「非正規」かで、差が生まれます。

それはそうだろ。
と思われるのも当たり前だと思います。

しかし、今回考えたいのは、「新卒教師」の周りにいる「教師」たちのことです。


正直、新卒の「講師」は求めていない

厳しい見出しになっていますが、私の本当の気持ちはこれです。

新卒の「講師」よりも「教諭」に来てもらいたい。

その理由は、先にも述べていますが「指導担当の教諭の有無」が大きいです。

「指導担当がつく」ということは、「それが仕事になる」ということです。
「指導担当がつかない」ということは、「それが仕事にならない」ということです。

言い換えれば、
その新卒教師に指導する時間がもらえる。
その新卒教師に指導する時間を創出しなくちゃいけない。
ということです。

「講師」であれ「教諭」であれ、職務は一緒です。
特に「常勤講師」と「教諭」の違いは、「非正規」か「正規」かだけ。
つまり、同じことを教えないといけないのに、「時間を作る必要がある」ということ。

具体的に述べれば以下のようなことが起きます。

「指導担当」という仕事によって、3コマの指導時間が必要。だから担当になる教諭は持ちコマが3コマ減る。

「新卒講師」に対しても同等程度を教える必要があるのに、持ちコマの減はなく、追加で時間を取る必要が出てくる。

ただでさえ忙しいと言われる学校現場で、生徒ならまだしも、教師を指導しないといけない時間を創出するのは至難の業です。

しかし、新卒は新卒、指導してあげないと。


それぐらいやってもいいじゃないか。
教えるくらいだろ。
と思われる方もいらっしゃると思います。

ここで何が起きるのか。

そもそも残業ありきの業務量。
「講師」への指導を優先し、自分の仕事は後回し。
そして、残業時間が延びていく。

では、やらなければいいのでは??

大前提は「生徒のため」

これが答えです。
「生徒のため」に働くのが教師たる所以。

生徒たちは、教師を選べません。
新卒だろうが、ベテランだろうが、上手だろうが、下手だろうが、生徒にとっては教師に変わり無い。

そんな生徒たちに「損」をさせ無いためには、「新卒講師」を育てる必要があります。

自分がこれ以上働きたくないから
面倒臭いから
「講師」に教える義務はないから

と、「講師」の指導時間を取らないわけにはいきません。しかし、時間も限られている。という現状なわけです。

講師に対する雑な扱い

タイトルの回収です。

「講師」という仕事は、すごく雑な扱いを受けていると感じます。
まともな指導時間もなく、他の教師と同じで業務を行う。担任も持ってもらう。というようなこともありえます。


習うより慣れよ
という言葉もありますが、教師は「習う」ことの方が多くあります。しかも、そんな雑な扱いに「慣れ」てしまっては困ります。それを当たり前だと思わないようにして欲しいです。

そんな扱いが続けば、教師不足なんて解消しませんので。

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