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AIの判断と、経験と直感と後付け理論
久しぶりにAIの記事。
AI、とりわけ深層学習機と呼ばれるようなものは、大量のデータから学習して、それをもとに規則性や法則性を見つけ出すことで、新たな判断をすることができる。
データのどういうところに着目して、どう学習するのかは、AIが決める。
だから実は、AIがどうやってその結論に行き着いたのか、その判断を下した理由は、上手く説明できない。
これは、人間にとても似ていると思う。
人間は、あらゆる場面で、瞬時に何かしらの判断をする。
その判断とは、直感、あるいは仮説と呼ばれるものだ。
初めて会った人の顔を見て、「この人は優しい人だ」と。
初めて行ったレストランで出された料理を見て、「これは美味しい」と。
そして、そういう直感は、だいたい間違っていない。
その直感を信じ、その正しさを説明することも、ある程度できる。
後付けで理論を組み立てるのだ。
あらゆる判断は、だいたいはじめの数秒以内に答えが出ていて、その先どんなに深く考えて、どんなにたくさん話を聞いても、その直感が覆ることは多くない。
AIと人間がよく似ている、これは、考えてみれば至極当たり前のことだ。
AIとは、そもそも人間の知能を人工的に再現しようという試みだ。
特に深層学習は、ディープニューラルネットワーク(多層神経網)と呼ばれるように、人間の脳の構造を模して作られている。
AIにとっての学習データは、人間にとっての経験だ。
長年積み重ねた経験により、人間は瞬間的に正解、ないしは正解に近い判断を下すことができる。
その判断を、必ずしも論理的に説明できるとは限らないが、説明できるとしたら、それは後付けの正当化理論だ。
真にロジカルシンキングが意味を成すのは、自分の中に学習データ、すなわち経験が乏しいような場面だけだ。
だから、AIにも必要だと思うのだ。
AIが人間社会に馴染むためには、その判断を、後から論理的に説明できるAIが必要なのだ。
と、ここまで書いて調べてみたら、富士通が開発していた。
これで、もう僕達は何も考えなくてもよさそうだ。
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