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頭痛外来でできること

みなさんこんにちは。
今日も頭、痛いですね。
1年に360日は頭痛がある三毛根子と申します。

さて、みなさんは頭痛外来を利用したことはありますか?
これは私の体感なのですが、頭痛に悩まされていても頭痛外来を受診したことがないという方をよくお見かけします。
おそらく理由は近くにないとか、どんなところかわからないとか、わざわざいくメリットがよく分からないとか、色々だと思います。

私もはじめて頭痛外来に罹る前は近所の内科とどう違うの?と思っていました。
頭痛ってある程度は市販薬でも対処できますし、わざわざ専門の病院に罹るほどなのかな?と思ってしまいますよね。

ですが頭痛外来に通い始めて早数年、私の頭痛状況はかなり変わりつつあります。
頭痛外来に通っていてよかったと思いますし、頭痛外来だからこそできた治療もあります。
頭痛外来に罹ったことがない方にはぜひ1回いってみてほしいなと思います。

ですが、どんなところかわからないといき辛いと感じるのも当然の感情です。
なので『頭痛持ちではあるけど頭痛外来にはいったことがない』といった方に向けて、頭痛外来はいったいどんなところなのか、何ができるのかということを毎月頭痛外来に通う患者視点からまとめてみました。

これを読んで頭痛外来への不安が少しでも解消され、行ってみようかなという気持ちになれれば幸いです。

自分の頭痛が何頭痛かわかる

頭痛外来では詳細な問診により頭痛の種類を特定できます。

頭痛の治療でまず大切なのが、自分の頭痛について知ることです。
片頭痛と緊張型頭痛では対処法が真逆と言っていいくらい異なります。

ざっくりいうと片頭痛は冷やしたほうがよく頭痛時は安静にして横になる、緊張型頭痛は温めたほうがよく頭痛時は運動して血行を促した方が良い、などです。
なので自分の頭痛がどちらに近いかの判断を誤った場合、その後ずっと間違った対処をしてしまうことに繋がります。

これがほかの内科さんなどでは先生に頭痛の詳しい知識がないこともあり、不適当な診断をされがちなんですよね。
実際私はそれまで他の病院で「緊張型頭痛ですね。風呂に肩まで浸かってください」とのアドバイスを受けていたのが、頭痛外来の問診で片頭痛だと一発でわかりました。
(厳密に言うと片頭痛と緊張型頭痛どっちも持っていたのが発覚した形なので誤診というわけでは多分ない)

なので自分の頭痛が何頭痛なのかの確信を持つためにも、頭痛外来の受診はおすすめです。
頭痛の治療はまず自分の頭痛を知ることがスタートなので、ようやくここでスタートラインに立つことができるわけですね。

片頭痛の予防薬を処方してもらえる

さて、自分の頭痛が何頭痛か判明すると対処法が増えます。

私の場合は片頭痛だったので、まず片頭痛を予防するお薬が処方されました。
ミグシスといって、朝晩の1日2回、常時服用することで片頭痛を抑えます。

ほかの頓服薬や注射薬を使う際にも、まずは予防医療が基本となります。
私はこれ単体ではあまり効果を感じられていませんが、初めて頭痛外来にいった日から5年以上経った今も毎日飲み続けています。

トリプタンなどの頓服薬を使う際にも、あらかじめ予防薬を使っておくことによって効きやすくなる効果があるそうです。
人によってはこれだけでかなり楽になることもあるようです。

片頭痛専用の頭痛薬を処方してもらえる

頭痛外来ではトリプタンを処方してもらえます。
片頭痛の専用の鎮痛剤です。

ゾルミトリプタン、ナラトリプタンなどトリプタンの中にも何種類かあります。
そのため、1種類飲んで合わなくてもトリプタンの種類を変更することで合うトリプタンを見つけられる可能性があります。
これも体に合えば劇的な効果を発揮してくれるそうです。

私は残念ながらそこまでの成果はなく、だいたいの打率は50%くらいで効いたり効かなかったりしますが、それでも使える鎮痛剤の種類が増えるのはシンプルに助かります。

もちろん通常の鎮痛薬(カロナールなど)も処方してもらえるので、この時点で頭痛患者は発作に対して通常の鎮痛薬とトリプタンという2枚のカードが切れる状態になります

カロナールとトリプタンは同時に飲むこともでき、片方飲んで効きが微妙だったからもう片方飲む、というような使い方もできます。
1種類薬を飲んで効かなくてももう1回チャレンジできるので、単純に希望が倍になります。

この「まだできることがある!」という意識があると精神衛生上かなり良いのでおすすめです。

頭痛に適した漢方を処方してもらえる

天気や気圧で体調が悪くなりがちな方は漢方薬が有効な場合があります。

私は五苓散という漢方を処方してもらい、毎日飲んでいますが、あるのとないのとでは体調にかなりの違いが出ます。
まずそれまでに天気が悪くなると決まってあった腰から下の痛み(おそらくむくみによるもの)がなくなりましたし、全身が重く水の中にいるかのような気怠い感じも軽くなりました。

頭痛外来の先生はそういった天候の乱れによる不調にも慣れているので、手慣れた様子で処方してくれます。

私はもう一つ当帰芍薬散という漢方も飲んでいるのですが、こちらは生理時の頭痛に関して相談したら処方してくれました。
生理のときの頭痛はそれ以外のときの頭痛とはまた様子が違い、トリプタンもカロナールもろくに効かず頭を抱えて寝込んでいるしかなかったのですが、このお薬のお陰で痛みがかなり軽くなりました。

どちらも毎日飲まなければいけないので服薬の負担はありますが、効果は決して低くないと思います。

漢方は内科や他の病院でも処方してもらえますが、頭痛を中心に考えていろいろな相談に乗ってくれるのは頭痛外来ならではだと思います。
また先生も頭痛患者ばかりたくさん診ている方なので、お薬も使い慣れています。
なので安心して相談できると思います。

片頭痛の予防注射が受けられる

これはかなり重症な方向けの情報になるのですが、片頭痛には注射で予防するという手もあります。
2021年から薬剤が発売された、まだ新しい治療法です。
片頭痛の注射治療は特別頭痛に特化した病院でないとやっていないので、頭痛外来で受けるのが一番だと思います。

頭痛外来以外のクリニック(ペインクリニックなど)でも取り扱っている場合がありますが、あまり頭痛の患者さんが来ない病院だと在庫をそんなに置いてないとかで言ってすぐ打てないこともあるようです(1週間前に電話で予約いれてねとかになってることが多い)。

値段は張ります(1本約1万5千円)が、かなり効果があります!
私はこの新薬のお陰で、毎日頭痛発作で死体同然の状態だったのがゾンビくらいまでには回復しました。

発作が出ても痛みの程度が前に比べて低くなりましたし、ずっと自由に動けるようになりました。
お財布には痛いですが、この注射薬のおかげでQOLが劇的に改善しました。
常に頭痛とともに生きている私の人生にとって、救世主といっても過言ではありません。

デメリットはお値段のほかに毎月打たなければいけないこと、あとちょっと痛いことなどが挙げられます。
4週間毎に注射なので、決まった時期に必ず投与する必要があります。

注射器はバネのようなものが内蔵されてるペン型で、打つときにばちんとした衝撃がありこれが結構痛い。
何回も打ってますが毎回目を閉じて耐えています。
自己注射も可能なのですが、痛いとわかっているのに気合を入れて打ち込むという動作ができる自信が全く無いので私は毎月病院で打ってもらっています。

打つ場所は腰に打つ方もいるそうですが、私は腕に打っています。
打つとき以外は後々痛んだり痒くなったりすることもなく快適です。

頭痛に関する最新の知識を持った医師の診察が受けられる

医療は日々進歩し、新しい治療法やお薬が数多く世に出ています。
いくらお医者さんでも、そのすべての情報を網羅しておくのは不可能です。
なので頭痛が専門でないお医者さんは最近発売されたばかりのお薬などは知らないこともあります。

ところが頭痛外来の先生は頭痛が専門なので、最新の治療法についても詳しいです。
病院のHPや先生のブログなどを見ると、最近取り扱いが始まった新薬について書いてくれていることがあります。

私はそれらを見て注射薬での治療を早期に始めることができ、また飲み薬も新しいものを試す機会に恵まれました。
これは頭痛外来の先生が常に最新の情報を仕入れ、自分の病院でもいち早く導入してくれていたおかげです。

新しければ良いのか?というと体質に合う合わないもあるのでなんとも言い難いですが、選択肢は大いに越したことはありません。
昔からあるお薬では効果が思わしくなかった方も、新しいお薬ならより良い成果を見込める可能性があります。

その他にも頭痛を熟知した先生による生活のアドバイスも受けられますし、専門性が高い先生の診断を受けるのはメリットとして大きいと思います。
頭痛が悪化する要因(光・音・匂いなど)は日常の中に数多くあるので、詳しい方と話すことで思わぬ頭痛の原因や対策が見つかることも考えられます。

さいごに 頭痛外来いってみてね!

どうでしょうか。
少しは頭痛外来がどんなところか伝わったでしょうか?

きっと実際には家から遠いところにしかないからいくのが大変だとか、そもそも地方だから頭痛外来自体一切ないとか、そういうどうしようもない理由で受診をしていない方も多いと思います。

けれど、もしあなたが頭痛持ちで、通院可能な範囲に頭痛外来があって、いってもいいかなと思っているのならぜひ1回受診してみてほしいです。

まだやれることがありそうなのに頭痛外来にいったことがなく、悩んでいる方を見るのは忍びないので……。
頭痛外来いっても良くならなかった人は私と一緒に痛もう!
この世から頭痛が少しでも減ることを願っています。

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