韓国とエコを考えてみる。
コスメやK-POPカルチャーなどで世界的に評価されている韓国。ただ環境に関してはまだまだ改善の予知がありそうで、PM2.5問題を始め、CNNによればゴミが海外へ輸送できず120万トンが不法投棄されていたり、環境に危惧したセット販売禁止法などが基準不透明による混乱で撤回されるなどの事態も起きている。
少し調べれば日本とほぼ同様の問題がでてくるのだけど果たして韓国はどのような取り組みがなされているのだろう？国の政策はもちろん、韓国の人々にとっての環境問題、文化への影響なども一緒に見ていきたいと思う。
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国の政策と進捗.
・「グリーンニューディール」
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はCOVID-19による経済への影響を抑え、雇用創出を目指すため推進している「韓国版ニューディール」に温室効果ガスの削減など気候変動に対応する「グリーンニューディール」を盛り込む方針を決めている。5月10日時点では、就任から３年を迎えて行った演説で、韓国版ニューディールの事業として3つを挙げている。
①デジタルインフラ構築
②非対面産業の育成
③国家基盤施設のスマート化
これにグリーンニューディールの内容として、「都市・空間・生活インフラのグリーン転換」を目指し、さらに「老朽化した公共賃貸住宅、保育園、保健所など２３万戸のゼロエネルギー化」に取り組む意志を示している。
また問題となっている大気汚染関連では、低炭素/分散型エネルギーの拡大に向け「電気自動車(ＥＶ)113万台、燃料電池車(ＦＣＶ)20万台を普及」させ「老朽化したディーゼル車116万台の早期廃車の支援」をする。加えて
「太陽光や風力、水素などの再生可能エネルギー普及」も広げていく方針。
ただ、こういった政策を打ち出す中で文政権への疑問の声も上がっている。
中央日報の7月10付けの記事によると、6月30日に文在寅大統領はEU連合とのテレビ会議で首脳会談を行った際「韓国政府が推進するグリーン・ニューディール政策の主要なパートナーになることを期待している」と述べた。
しかし、このように環境に対して前向きなコメントをしてい流のにもかかわらず、その日の午前、政府傘下の公企業である韓国電力はインドネシア・ジャワ９、１０号機石炭火力発電所の投資事業を認可していた。
国際エネルギー機関（ＩＥＡ）によると、石炭は単一の要素としては、地球温暖化に最も大きな影響を与える。気候危機を克服するために最初に退出すべきエネルギー源だ。政府傘下の公企業がグリーン・ニューディールの哲学に正面から反する石炭事業承認を出したのだ。
ここで挙げられた矛盾の他にも、グリーンニューディールへの投資額が他国と比べて少ないことや、明確な目標の設定が不明確な点などの指摘がされている。
上記の内容以外で環境への政策として最近積極的に活動しているものは確認できなかった。ただ、韓国は政府の取り組みは環境省のHPで見ることができる。また、政府は映像を積極的に用いており、前回は女性家族部省を紹介したが環境省も同様に発信しているので気になる人はぜひ。
・プラ問題
韓国では2019年1月1日より、韓国政府は大型のスーパーマーケットでの使い捨てレジ袋の配布を禁止している他、韓国最大級のスーパーマーケットチェーンであるロッテマートが6月8日、2025年までに使い捨てプラスチック使用量を半減する計画を発表していたりと官民いずれにせよ声明/政策を見る限り日本よりもかなり進んでいることが感じられる。
現在コロナウイルスによりプラゴミが増加していたり課題はあるものの、店内飲食におけるプラ容器の禁止や出前用容器のプラ容器削減など、企業努力によりプラゴミは減少しているそう。
「指定ゴミ袋をください」/「종량제봉투로 주세요.」
→チョンニャンジェポントゥロ ジュセヨ.
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コスメやK-POPなどのカルチャーとの結びつき.
ここからは少し肩の力を抜いて、韓国におけるコスメやカルチャーと環境について見ていきたい。まずはコスメから。
・コスメ
「inisfree」(AmorePacific inc.)
スキンケアをメインに自然派を打ち出しているイニスフリーは
国連グローバル・コンパクト(UNGC)に韓国化粧品業界初加入した会社。
経営や環境に関してもサステナビリティを推進している。他にも空容器を回収してポイント還元(2003)不要な動物実験禁止(2013)などを行っている他、2010年から行われているエコハンカチキャンペーンはデザインも可愛い…
また、ソウル文化社いわく韓国には大きく分けて４つカテゴリー分けされるされているらしい。
①ナチュラルコスメ…自然由来の成分を使用してる
②オーガニックコスメ…認証を受けているから安心
③ヴィーガンコスメ…動物由来の成分不使用、動物実験しない。
④クリーンビューティー…なるべく自然由来成分を使う。
肌に有害な化学物質を使わず動物実験をしない
このような動きがある一方で、世界での認証獲得にはかなりの努力がいる。
機能性や本当に環境に優しく、それらは水準を満たしているものなのか。
それに人体に及ぼす影響/安全性面での懸念や、有効期限が短いなどといった課題もあるみたい。
・ファッション
素材がオーガニックだったり、再利用かどうかというのは明らかではないですが、ファッショナブルなマイバックなどは韓国でもかなり作られてます。
しかし、韓国のファッション市場はいまだファストファッションで溢れており、洗濯で発生するプラスチックなどによる環境汚染などが深刻。ただ、コスメのところでも挙げたようなオーガニックだったり、フェアトレード、エシカルファッションの認知も少しずつされ始めているためこれからどうなるかというところ。
・エンタメ
これからはK-POPや映画などでも環境問題を扱ったコンテンツは生まれてくるのでは、と考えている。
まずK-POPに関して言うとビルボード全米1位のBTSは国連にてスピーチを行ったり、最近ではBLM運動への募金を実施したりなど人道支援に厚い。
(他のアイドル/アーティスト、俳優も様々な寄付や募金活動を行ってる)
この流れを汲めば環境問題への取り組みは十分考えられるし、海外アーティストや俳優などが環境保全、問題に取り組んでいる例を見てもかなり自然。
そしてアカデミー賞をはじめとして世界で多くの賞を獲った
「パラサイト/기생충」。作品は「貧富の差」を主とした社会問題を扱っており、社会に衝撃を与えた。韓国の映画は政治や権力の闇などを扱うものも多いが、心へ訴えかけるものとして環境問題が指摘されることもこれからあるのではないかと考えている。
さいごに。
私の好きなK-POPや韓国の音楽、文化と同じく関心のある環境問題。
「好きの掛け合わせが学びになるのでは？」と思い今回はリサーチをして
まとめてみました。ジェンダー指数が両国100位第であったり、カルチャーに強みを持つというところで似ているところが結構あると言われる韓国ですが、環境問題においても課題はまだまだ少なくないよう。
ただ、カルチャーの発達がこういった動きを促進させることもあると私は考えているし、互いに切磋琢磨で環境改善の機運が高まることを願いつつこれからの韓国の環境対策をウォッチし続けたいと思います。
〈追記〉2021 P4G Seoul Summit
参考URL.
・グリーンニューディール政策関連(聯合ニュース,中央日報)
・世界のエネルギーのこれから「経産省」
＿ ＿ ＿ ＿ ＿
・韓国コスメの環境/健康への配慮記事
・韓国コスメ事情note「Beauty tech.jp」
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