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飲食店の未来は輝いているのか?

昨今、あのコロナ禍事変を境に街から消えてゆくモノがある。
沢山の人達の腹を満たし笑顔をもたらし家族やそれぞれの大切な思い出の一つになっていった場所。

飲食店

である。

そこには様々な理由があると思う。
店舗老朽化による立ち退き。
後継者問題。
従業員不足。
売り上げ低迷による倒産。

兎に角騙し騙し続けてこれた経営もコロナによる世界変革、大国同士の戦争、経済格差の加速、など問題が一気に激化、集中した事により「化けの皮」が無理矢理剥がされてしまった。
それによって「継続」して行けない(特に中小企業等)基礎体力が元々低かった企業からドンドンと命を奪われて行っている昨今。
いつしか街に飲食店が無くなる日も遠からずいった所だ。

一昔前は飲食店は「花形産業」の1つだった。
アルバイトと言えば飲食店だったし、人が集まる場所と言えば飲食店。
企業しようと思えばまず先に飲食店が浮かんでいた。
そして脱サラなんて言葉も流行り、多くの夢見る大人達がこの業界に参加していった。
空前のラーメンブームや韓国食のブーム、はたまた焼肉のブームと世間の話題は飲食の話題で溢れていた。
ブームという波に押されて他企業も芸能人も飲食業界にこぞって参加、栄華を極めた。

そしてそのツケが今の飲食業界崩壊の下地を作っていったという側面もある。
お金だけ有り余ってた他企業や一部の金持ち達は、はっきり言って「飲食業界」を舐めていた。夢とやる気さえ有ればなんでも出来ると高を括ってた。
経営学を齧った程度で見よう見まねでこの業界続けていける訳もなく多くのお店が出しては消え出しては消えの繰り返し。
安易な考えが業界のレベルも著しく下げた。
やはり情熱だけでは何ともならないのだ。
ちゃんとノウハウを勉強して学ばなければ成立しない。
それは何処の業界も一緒の様に飲食業界も同じ、錬金術ではない(本来錬金術業界も失敗の連続なのだが)
それでも金持ち企業や他業種で財をなしほぼ道楽で始めてる人達なんかは何にも気付く事なくここまでは何とかやってこられたと思う。
でも、これからは違う。
本当の意味での淘汰が始まったのだ。

経済界全体が世界的にコロナ、戦争で打撃を受けたのだ。
生きてく上で必要なモノ全てが値上がりし、入手も困難になった。
飲食店の儲けは、原価と売価の差額が利益になる。(ぶっちゃけて言うと)
そこら辺を「どんぶり勘定」でやってるお店はごまんとあって今までなら何とかやってこれた。
でもこれからはシビアに考えてないと絶対にそのツケは回ってくる。
良い例として、昨今大ブームにもなった「オモウマイ店」。
そこは老夫婦やサービス精神豊かな人達か「サービス」の一環として「安い、早い、量が多い、美味い」といううれしいサービスを気持ちで提供してきたお店。
そこもほぼ「どんぶり勘定」で経営されてるお店が多く、ブームも落ち着いてきている昨今閉店している(ゆく)お店が増えてるみたいだ。
其処には、後継者問題、人員不足、経営難と飲食店の諸問題の縮図となっている。

そうなのだ。
もう「優しさや気持ちでどうこうなるレベルの話し」じゃなくなってきたという事。
ちゃんと「考える経営と戦略」がない企業は容赦なく命を取られるという現実になったという事。
もう一昔前の「飲食店経営で大金持ち!!」思考でいる人は絶対足元を掬われる。
チャライ気持ちでは最早この業界やっていけない。
生きてく為のこの仕事として端にくらいついて齧り付いていく覚悟、そして本当に好きという気持ちがない限りこの業界生き抜いていけないと思う。

散々暗い事ばかり書いてきてうんざりとしてきた。
此処で光も書いておこうと思ったが光が見えない。

飲食店で働きたいと思う人がいないという問題も持ち上がってきてる。

確かに今の世界を見回せば効率よくお金を手に入れられる方法なんていくらでもあるから、今更「辛く苦しく汚く給料の安い」仕事につくメリットなんてない。
一昔前の「賄い食べ放題」なんてたかが知れてるというか企業によったら「給料から天引き」する所も少なくない。

そんなもう四面楚歌に近い業界に於いてまだ夢を忘れられない人もいる(此処にもアホがおる)
そんな人達へ僕が考えている事を書いておく。(参考になるかわからないけど)

もう飲食店でお金持ちになろうなんて考えないって事だ。
生きてゆく為にこの職を選ぶってだけ。
後、無理しないということ。

自分は小さな店舗で1人で切り盛り出来るメニューで1人で営業しようと考えている。
端から誰の手も借りない。
その考えを推し進めてお店作りをしていけば大概の困難もクリア出来る。
そのかわりリスクもある。
それは「常に1人」だと言う事だ。
替えがいないという事。
身体が壊れたらおしまい。という事。
だから無理をしない。
ちゃんと休むこと。
でもそうすると売り上げ低迷はする。
そこはちゃんとメニュー構成、経営ノウハウを詰めに詰める必要がある。
で、導かれる答えは、「大金持ちには、なり得ない」という事。
でも身体が続く限り続けられる。
一長一短。
まぁ何事もそうか。

金のある力のある企業はAIロボを参入させる事に注力を注ぐだろう。
益々「人の力」は必要なくなってくる。
でも自分の考えている「無理をしない小さな飲食店」が増えていけば、この業界まだまだ崩壊しないんじゃないかと線香花火ほどの小さな希望を抱く。
あの一昔前の人情劇場みたいな光景が小さな飲食店では見られるはずだし、ロボットには出来得ないサービスは提供出来るはずだ。

ただ、現在生きている人間達のモラル低下、野生化が激化している昨今に於いて奴らにその小さな光すら潰されてしまう危険性は大いに孕んでいる。
まぁこれは飲食業界だけでなく「サービス業界全般」に言える事でもある。

前途多難である事には変わらない。

この記事の命題である「飲食店の未来は輝いているか?」については、それは関わる人達全員の心がけ次第という事になる。
それしか言えない。
今目の前の空には暗雲が立ち込めているが、雲間から光が差してきた。


続く。

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