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ICC国際商工会議所のデータから読み取れるトレードファイナンスの実態
ICCでは2009年より毎年Trade Register Reportという報告書を毎年発行している。内容としてはトレードファイナンスのタイプ別デフォルト率やGlobal Credit Dataと提携してバーゼル3対応のLGD(Loss Given Default)PD(Probability of Default)やEAD(Exposure at Defalut)のモデル化や算出方法の定義等に関
もっとみるICC 世界商業会議所の役割
WTOの設立よりも30年前に第一次世界大戦からの復興と自由な国際通商の実現を目指して設立されたのがICC(International Chamber of Commerce)である。現在本部はフランスのパリにある。1919年10月、米・英・仏・伊・ベルギーなどの産業人4,000人が米国アトランティック・シティに集まって開催された「アトランティック国際通商会議」をもって嚆矢とし、1920年5~6月
もっとみる世界貿易取引量の実態
世界貿易取引の発展によりこれまでに様々な経済的な恩恵をもたらしてきた。2000年頃まで緩やかであった世界貿易量は中国のWTO加盟によりこの20年間弱で3倍以上増えることとなった。その金額は2018年で19兆ドルと言われている。もちろんCOVID19の影響は甚大で2020年はピークから20-30%程度落ち込む予想であるが、それについては後述する。
2018年における各国別の貿易量としては左欄の輸出
SDGとトレード・ファイナンスの関係
SDGとは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟国193ヵ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されている。
トレード・ファイナンスに関連するのは17の目標のうち7目標
貧困の撲滅(1)、飢餓を無くす(2)、ジェンダー平等の実現(5)、働き甲斐も経済成長も(8)、産業と
トレード・ファイナンス・ギャップ
一般的に貿易金融が何を指すかと聞かれれば金融機関や商社を主体とした貿易取引への金融と説明がなされている。しかしながら、具体的にその意義について多くは説明されていない。
そもそも貿易金融は13世紀ごろからイタリアにて発祥し、その後形を少しづつ変えながらも存在している貿易に欠かせない長い歴史を持つ取引形態である。日本では16世紀の南蛮貿易においてマカオを中継貿易地としたポルトガルとの取引において活