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ZINEを印刷に出したこと

ずっと作りたかった作品集の小冊子を作りました。リトルプレス(自ら制作した少部数発行の出版物)というやつです。これからも作っていきたいなと思っているので、次のための備忘録としてデータ制作や印刷のことについて記録しておこうと思います。

仕上がった作品集はこちら

ZINEは、自宅でプリントしたりコピーしたりするものもありますが、私は今回印刷に出して制作しました。

以前は、在庫を持たずに1冊ずつ作れる「オンデマンド印刷」という方法を試しましたが、単価が高くなってしまうことと、何より印刷が家でプリントした時よりにごっている感じなのが気になったので「オフセット印刷」を選びました。

印刷の特徴をざっくりまとめます
「オンデマンド印刷」
メリット:1冊から作れて在庫をかかえなくてよい場合がある
デメリット:充分キレイだけどオフセット印刷より劣り少しにごる感じ、1冊の単価は高い、紙をあまり選べない場合がある。
「オフセット印刷」
メリット:美しい!単価を抑えられる。紙の種類が多い。
デメリット:単価を下げるためには100部、300部という単位で刷ることになるので在庫がいっぱい。一度の印刷にかかる料金はまとまった金額(数万円)が必要。

印刷はグラフィックさんにいつもお願いしています。印刷のデータの作り方などわかりやすくサイトで案内されていて安心です。様々なデータに対応しています。紙見本や印刷見本を取り寄せられるので、紙の厚さや裏移りなどをきちんと実物を見て判断できます。

綺麗に少しでも単価を安くするため、ある程度自分でも作業することにしました。本文は2ツ折のチラシとして注文。ページ数ぶんの種類印刷し、自宅でページを順番に重ねて中綴じホチキスすることに。

印刷について詳細


A5、24ページの小冊子 100部
*同人誌表紙
サイズ:A5用
色:片面カラー
用紙:サテン金藤180kg(マットコートより美しい白)
オプション加工:スジ入れ1本(半分に折るのが楽!)
*本文 5種
サイズ:A4チラシ・フライヤー
色:両面カラー
用紙:マットコート110kg
オプション加工:二つ折(数百枚を自分で折るのはとても大変なので)

購入した道具、二つ折りに仕上がった本文各ページ

製本の道具として、新しくMAXの中綴じ用ホチキスを買いました amazonで ¥2718でした。軽い力でしっかりと綴じられたのでよい買い物でした。
6枚の紙を重ねて製本すると、はじの紙がずれてしまうので、断ち落とさないといけません。画像上部のペーパーカッターを買いましたが、厚みがある紙なので、うまくカットできませんでした。結局、カッターを頻繁に折って、スパスパの状態で定規をあてて切る方法でやりました。

表紙:サテン金藤 斜めから見た画像です。
黄色い部分がツヤっと光るようにできたのが、特色で印刷したみたいで気に入っています。

グラフィックさんの商品には、同人誌の表紙印刷という商品がありました。コピー本を作る場合なんかにも、表紙だけは綺麗な印刷をすると見栄えが違うと思います。サテン金藤180kgは、美しい白。しっとりとした質感です。印刷部分はツヤっとして高級感があります。本文より厚くて高級感のある表紙、とても気に入りました。

本文 マットコート110kg

本文の用紙はマットコート。ピカピカしなくて好きな紙です。裏うつりもギリギリ気にならないかな、という厚さにしました。
厚ければ厚いほどかさばり、加工が大変になるので、130kgと迷いましたが110kgに。

オフセット印刷指定すると金額は高くなりますが、オンデマンド印刷が仕上がってきた時と違い、がっかり感がないです。美しいですから。

印刷を綺麗な順にならべると、家庭用プリンターも用紙をきちんとしたものにすれば今はなめらかですごく綺麗、オフセット印刷すごく綺麗、その次にオンデマンド印刷、コピー機という順番でしょうか?感覚に個人差ありそうですが。

どうでもいいことですが、オフセット印刷、香りがいい!新しいCDの歌詞カードのような、和菓子っぽい、桜餅を連想させるあの香り。CDのようにプラケースに入れておくわけではないので、お客さんまで届かないとは思うけど、刷り立ての印刷物は、いい匂いです!

家のmacの画面で見ていた通りの仕上がりでした

ホチキスやカッターで製本すると、けっこう失敗も出るので、本当は製本まで全部プロにお任せしたいんですよね。このくらいの部数が、このくらいの期間で売り切れるのかーとか、製本用データ作りもわかってきたら。そしたらいつかは、たっくさんの部数を全部グラフィックさんにお願いしたい!

データについて

新しくiMacを買ったので、今回からソフトはIllustratorやPhotoshopではなく、CLIP STUDIO PAINT PRO(通称クリスタ)を使用しました。漫画家さんや絵師さんと呼ばれるようなイラストレーターさんが多く使用しているソフトです。今のところ(2023年1月)は、サブスクでなく買い切りです。多くの人が利用しているので、無料のブラシや使い方のYouTubeなどが充実しているのがメリットです。

私が使っているPROバージョンだと、冊子データを作ることに対応していないので、ページごとバラバラのデータを作りましたが、CLIP STUDIO PAINT EXというものにアップデートすると本にする用のデータを作ることができるそうです。次のために年末のセールで買っておきました。

入稿したデータについてのメモ
PSDデータでRGB(デジタル用の色)のデータを入稿しました。同人誌は印刷データを作るプロではない人も作るので、PDFだとかいろいろなデータに対応しているんですね。みんなが持っている安価なソフトで作れるデータに対応してもらえるのありがたいです。

印刷のほうでCMYK(印刷用の版の色)データに変換されるんだけど、その時少し色が暗くなります。でも仕上がりはそんなに暗くなっていなかったのでホッとしました。

クリスマスのページも気に入っています
動物ごとに絵をまとめています

イラストレーターさんの冊子は、気に入ったものをちょこちょこ買い集めていますが、コミケで売っているような人気の絵師さんの同人イラスト集みたいなものも、いろいろ見てみたいなぁと思います。

今はデジタルで描く人のRGBデータのための、鮮やかな印刷方法があるらしいので、そういうの使って作った本とか見てみたい。リトルプレスでどこまでできるのか、知りたいなと思っています。

どうぞ!

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