最愛の猫の一周忌に向けて 1

2022年12月8日 人生で1番悲しくて辛くて泣いた日だった。
我が家にいた可愛い可愛い猫が天に召された。
「天に召された」と言えば何となく聞こえはよくて昔はよく使っていたけれど、「召された」と聞くと何となく神様に持ってかれたような気がしてこの言葉がしばらく嫌いで言えなかった。
でも、どんな言葉を尽くしたとしてもやるせなさも悲しさも消えることはないから腹を括って「天に召された」と言うことにしよう。

我が家には勿体無いくらい気立てが良くて穏やかで優しくてちょっとビビリの可愛い男の子だった。
初めて出会ったきっかけは母が動物病院の近くを訪れた際、保護猫の里親募集のちらしを見たのが始まりだった。
猫を飼う前は圧倒的に犬派の子どもだったので「猫か〜」と思いつつも"我が家にペットが来る"と言う事実の方により心が惹かれたので二つ返事で了承した。
チラシには3匹の猫がいた。そのうちの2匹はまだ生後2-3ヶ月の小さな赤ちゃん(確か名前はこうしくん)、そしてもう1匹がのちに我が家になることになる「モカ」だった。
当初私も父も弟も「子猫がいい!」と言って、小さくて可愛いこうしくんかもう1匹の猫に夢中で、すでに見るからに大きくてお世辞にも写真写りが良いとは言えないモカは眼中になかった。
しかし、保護活動をされてる方に電話をすると「既に希望の2匹は引き取らられていてモカちゃんしかいないんですよ」との事だった。
家族内で話し合い「とりあえず見に行ってみるか」と話して次の週末に見に行くことにした。

そして次の週末、保護主さんのお家に行った瞬間に運命の出会いがあった。「モカ」がそこにいたのだ。
一目見た瞬間に「写真よりも可愛い!!」と驚いた記憶がある。
私も弟も「可愛い!この子がいい!」と熱烈に希望して母にも伝えて1週間のトライアルに来ることになった。
夢にまだ見たペットとの生活、幼い私はとても期待に胸を膨らませていた。

しかし、モカは大層な人見知りだった。
家に来た初日はキャリーに籠城して出てこず、夜中の家族が寝静まった頃にご飯と水を飲んだ形跡があった。
2日目3日目はカーテンに隠れて遠吠え、全く姿を見せてくれなかった。
子どもながらに「思ってたペットとの生活と違うな…」と思う時もあった。
だが、トライアルが終わる直前で少しずつ家族に慣れ始めて日中も姿を表すようになってきた。
そして1週間後無事にモカは正式な我が家の家族になったのだ。

飼ってからも布団に粗相を何度もして母が疲れ果てたり、障子に穴を開けたり、テレビを壊したり、カラスに脅かされてペットタワーから落ちたり…と色々な事件に事欠かないがとりあえず今日はここまで。

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