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そら海外ではイケメンが育つわけだ。と思った話。

23歳の春ごろ。
私は、教育現場の視察のため
オランダへ行く機会があった。

空港に降り立ってすぐ
全体に穏やかな空気が流れていることを
肌で体感した。

オランダでは
子どもの幸福度が世界1位だ。
その理由を知れると思うと
私の心は躍っていた。

オランダの教育現場はすべてが違った。
ひとことでは説明できないので
核心だけ書き記すことにする。


子ども、大人、教室にいるすべての人が
他人を尊重する空気が蔓延していた。


全ての人が、隣の人を愛していた。
これにつきる。

オランダの教育については
たくさんの文献や、ネット上において
現地日本人の方が分かりやすく
まとめていらっしゃるので
ぜひそちらをご参考にして頂きたい。

今回、私が何よりもお伝えしたいのは
題名にもある通り

そら、イケメンが育つわけだ…

と、思わず、うなってしまった場面についてだ。

この場合のイケメンとは、別に容姿のことではない。
心のイケメンさを表している。
ぜひ、目を通していただきたい。


※これは、私が実際に体験したことではなく、一緒に視察に行った方からお聞きした話です。

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視察隊の1人と通訳の方が、ある女の子の誕生日パーティーに招待され、参加しに行った。

その子の家には、たくさんの子どもたちと
保護者の方が集っていた。

まるで映画によくあるシチュエーション。

バースデーソング、プレゼントタイム、
ケーキやおかしを食べたり…
ひと通り、予定されていたプログラムが終わり
パーティーは、終盤の自由時間。

みんな楽しそうに遊ぶ中
ある男の子が、隣にいた女の子のおさげ髪を
軽く引っ張った。

でもそれは、ケンカではなく
じゃれると言った方が正しいような光景。

女の子も
別に気にしている様子はなく絵本の続きを読んでいた。
もちろん泣くこともなかった。

この光景を見て、みなさんはどうするだろうか?
女の子は絵本の続きを読んでいる。
かまってくれないと思った男の子は、別のおもちゃを手にして遊ぼうとしている。

この様子だったら
大人も楽しくティータイムの続きを
始めるではないだろうか。

でも、この場面では違った。

その男の子のお父さんが、
「こっちにおいで」
と言って、息子を抱っこして
部屋の隅に移動していった。

お父さんは、息子と同じ目線まで腰をかがめ
顔を近づけて小声でささやき始めた。
周りの子どもたちや、大人はその様子に気付いていない。

ここからは、お父さんが息子へ伝えた
ありのままの言葉を書き記します。

------------------------------------------------------「〇〇(名前)、君はさっき、
××(女の子)の髪を片方引っ張ったね?
お父さんはそれを見ていたよ。
それを見て悲しい気持ちになったんだ。

いいかい?
男の子は、何があっても女の子を傷つける行動をしては、いけないんだ。絶対に。

男の子は女の子より、力が強いのは
〇〇も知っているよね?
でも、それは女の子を守るためなんだ。

お父さんがいないときは
〇〇がママのことも守らなくてはいけないんだよ。

今度からは、女の子を傷つけないお約束だよ?」
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そう言うと、お父さんは息子を遊び場に戻した。

男の子も取り乱すわけなく
どこか自信に満ち溢れた様子で
女の子に近づき
「さっきはゴメンね」と
声をかけた。


こんなスマートな叱り方ができることも
素晴らしいし、なにより内容が120点だ…

女性に対する接し方までも
さりげなく伝える、この国。

そら、イケメンが育つわけだ。


視察隊の1人いわく、誰よりも通訳の女性が、顔を赤らめていたらしい。笑



mk

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