[理系による「アート」解説] 体調により評価が揺らぐゴッホ作品
あくまで個人的な意見ですが、ゴッホ作品は体調により、感動するときもあれば、何が良いんだ?と疑問符を投げかける時があり、評価の振れ幅が非常に大きいです。
ゴッホ作品を大きく下記の3つに分類します。
-黒の時代
-アルル時代
-療養時代
で、体調が悪い(気分が落ち込んでいる)時、
-黒の時代 →ますます気分が落ち込みます。
-アルル時代 →おぉ、スゲー、と感動します。
-療養時代 →おぉ、スゲー、と感動しますが、ますます気分が落ち込みます。
体調が良い(気分が良い)時、
-黒の時代 →おぉ、スゲー、と感動します。
-アルル時代 →何が良いんだ?、と疑問符を投げかけます。
-療養時代 →おぉ、スゲー、と感動する作品と、何が良いんだ?、と作品によって分かれます。
体調が良くも悪くもない(ニュートラル)時、
-黒の時代 →何が良いんだ?、と疑問符を投げかけます。
-アルル時代 →何が良いんだ?、と疑問符を投げかけます。
-療養時代 →何が良いんだ?、と疑問符を投げかけます。
とまあ、今でも安定することはありません。逆に、ゴッホを見ると、自身のことが分かるという、なんとも不思議な作品群です。
過去にアムステルダムのゴッホ美術館に2度行ったのですが、
1度目は"体調が良い時"で、かなり楽しめましたが、黒い時代の画の多さに胸焼けしました。
2度目は残念なことに”体調が良くも悪くもない時”で、何が良いんだ?、と疑問符を投げかけたまま、すぐに出てしまった記憶があります。
なぜにこんな状況になるのか考えてみたのですが、
絵画自体にゴッホ自身の気分が乗りすぎてて、また手法がそれをより助長する描き方になっていて、さらにゴッホ自身の感情の振れ幅が広すぎて、鑑賞者が作品によってはシンクロできないことがある、
が今の仮説になります。
もう一点、療養時代の絵はダークサイドな感情の絵に見られがちですが、歳を食ったせいか、あの時代の絵は、作品としてではなく、心の平静を保つために行わざるを得なかった行為の結果であり、ゴッホの気分的にはニュートラルではなかったかなと感じてきました。よって、療養時代の絵は今後自身の中で評価が変わりそうです。
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