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乾くるみ Jの神話(文春文庫)を読んで

お久しぶりです。今回も抽象的感覚派読書感想文を書いていきます!
作品は乾くるみさんのデビュー作の「Jの神話」です。関係ないかもですけど、この作者さんが男性だと知って、何かニットを前後ろ逆に着てしまったような違和感を抱いた人も少なくない気がします。そんな僕もその一人です。

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こちらの作品は山奥にある全寮制のミッション系女子高校を舞台にして、その中の熱心なクリスチャンであり、他の生徒よりも成長が遅いことを気にする坂本優子と、黒猫の別称で多くの事件を解決に導いた鈴同美音子という探偵が主人公の話。高校の寮で過去に不可解な飛び降り自殺があり、優子が入学してすぐに生徒会長の美少女が下半身を血まみれにして死去する事件が発生して物語が進んでいきます。

物語が進むにつれて、最初は消えた嬰児などあり、本格ミステリのように犯人を探す筋で進みますが、途中から様相が変わりエログロ的な要素が増え始めて、最後は最初からは全く予想していなかった最後を迎えます。読み終えたばかりの時は呆気にとられるも、時間が経つにつれて、面白味が脳内に広がるようなそんなエンタメ小説でした。

この作品はフランスの菓子サバランをベースに作られた洋酒ケーキのような作品でした。口に含むと控え目な甘さとラム酒の香りが鼻に抜けるように、本格ミステリとミッション系の全寮制学校を舞台に読者にとって非現実を味わえます。
ラム酒の香りに酔うようにエログロ的要素を楽しむことができ、読み終えた後はふわふわとした感覚に襲われます。この感覚を味わいたい方は、ぜひオススメの作品になります!

これで今回の読書感想文は終えます!新人賞受賞作を読むたびに、こういったしっかりした作品じゃないと駄目なんだっていう思いに駆られるので、それで焦る自分にイライラしちゃいますね。自分の作品を作るうえでは、そこまで気にしないように意識しているはずなのに。

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自作もKindleで出しているので、もしよろしければご一読ください!

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