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江戸川乱歩 孤島の鬼(春陽堂)を読んで

今回の作品は江戸川乱歩の孤島の鬼です。こちらの作品の抽象的感覚派読書感想文、推薦文を書いていきます。

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この作品は僕の読書歴の中で一番好きな作品だと思います。初めて読んだのが大学一年生なのですが、それから毎年一回は必ず読み直してしまうような作品です。江戸川乱歩のミステリーの面白さと、エログロの面白さがマッチした傑作長編です。陰獣やパノラマ島も大好きなのですが、一番は長編で楽しめる孤島の鬼で間違いないと思っています!

大まかな内容なのですが、一読して下さいと言って、説明などしたくない程です。だが、記事としてはそういう訳にもいかないので軽く触れます。

主人公の私はまだ三十歳になる前にもかかわらず、白髪頭となっています。それはある恐ろしい出来事を経験したからと言うのです。私の妻も腰の辺りに大きな傷口があるのです。まるでそこに前までもう一本足が生えており、切断したかなような。私の世にも恐ろしい話は、婚約者だった初代と探偵の深山木の不自然な死の場面から始まります。その犯人を追っていると、どんどん深みにハマっていき、常人では考えられないような光景を目にすることになるのです。

この作品には初めから終わりまで、不気味な黒煙が立ち込めているような感じがしました。それは不可解な事件や、私とある人物の同性愛的な仲から醸し出される甘さから立っているように思います。

感覚的に言うと、この作品は薄暗い庵の中で茶の湯と甘い甘い水羊羹と栗羊羹を食しているような気がします。事件の血腥い描写から悲惨と乱歩独特な臭味を味わい、苦い茶の湯を飲んでいるような上品さを感じ取ることができます。また、同性愛的恋愛の甘みと、エログロ描写の甘みという二つの異なる甘みを食することは高級な水羊羹と栗羊羹を食べている感覚になります。

これで今回の読書感想文を終えます。この作品は特に多くの人に読んでもらいたいです。滅茶苦茶オススメできると思います。

最後に拙作のリンク↓↓

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なろう

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