リーマンショックってなんだったっけ?-犬でも分かるまとめ-(後編)
前編を見ていない方はまずはこちらを読んでくださいませ!
さて、安全かつ堅実な金融商品CDOを作り出した銀行ですが、
それは大人気商品となり取引量がどんどん増えていきます。
この商品が安全じゃないのでは?と疑う人は多くはありません。
なぜならそれを疑うということは、銀行の審査と格付け会社のレーティングが両方嘘っぱちだ、ということになるからです。
そんなことがあるわけがない、そんなことが横行しているとしたら世界経済は終わりだよ、HAHAHAHA!
と一笑に付されるわけです。
そんなとこは常識的に考えて起こらない
そういう先入観があったはずです。
実際に起きていたことはこうでした。
銀行は、融資の焦げ付きリスクを手放せる、さらに貸付そのものを商品として売った利益も手に入る夢のようなこの商品をじゃんじゃん売りたい。
証券会社は投資家にリスクの少ない商品として売りやすいこの商品をじゃんじゃん仕入れたい。
投資家はAAAの評価でリスクなく運用できるこの商品をじゃんじゃん買いたい。
だんだんこの商品への需要が大きくなってくると、供給が足りなくなってきました。
そうすると銀行はどうするか。
もっと融資をして売るための原資を増やしたい。でも誰彼構わず融資をすることは本当はしてはいけない。そんなことを銀行がしてしまったら銀行の審査の価値なんてなくなってしまう。。。
のですが、銀行はこの商品を作り出すために融資をし続けました。
信用力が高い人へ貸し切ったら、今度は支払能力がない人にまで融資をし始めました。
この支払能力の低い人へ貸し付けたローンのことを
『サブプライムローン』
と言います。
プライムローンというのは優良な貸付(ローン)のことです。
『サブ』プライムなので、プライムより劣るローン、ということです。
CDOがどんどん売れるもんだからサブプライムローンとしてのMBSをせっせと作る、
そしてそれをしれっとCDOの中に入れ込む。
そうやってだんだんCDOの実態は、ふれこみ通りの低リスク商品とはかけ離れたものになっていきました。
でもここでふと疑問に思いました。
支払能力のない人に貸すってどうせすぐ焦げ付いてバレるのになんでわざわざそんな信用落とすことするの???
そんな商品すぐ誰かが気が付いて買わなくなるんじゃないの?????
ですがここも巧妙に仕組まれていました。
まず、支払能力の低い人へのローンの利子は最初の2,3年はとても低く設定されていました。
その2,3年を経過すると一気に利子率があがる仕組みです。
そしてローンの借り手には、「今は住宅バブルで住宅の価値は今後まだまだ上がっていくから、今買っておいたほうがいいよ!」とローンを組んででも家を買ったほうがいい、と説得する。
もしかしたら本当にそう信じていた銀行マンもいたんじゃないでしょうか。
その説明を受けた人々は、本来の支払能力を超えているにも関わらず、
憧れのマイホームが手に入る!このまま自分の家の価値は上がり続ける!これは資産だ!将来への投資だ!
と本気で信じてローンを組むことになります。
こうして供給は満たされていきました。
次にこの金融商品がずっと売れ続けることも需要です。
そこには格付け会社のレーティングが非常に効果的でした。
格付け会社のレーティングは当たり前ですが、公正公平でなくては本来は意味がありません。
しかし
サブプライムローンを含んだCDOの格付け会社のレーティングはAAAのまま
でした。
レーティングがAAAを維持していた本当の理由は分かりませんが、格付け会社も民間企業であり、利益を追求しなくては存続できない以上、公正公平を保つというのは難しいということなのでしょうか。
こうやって焦げ付きリスクの高いサブプライムローンを含んだCDOはAAAの高い評価で市場に流通し続けました。
サブプライムローンは2,3年で利子率が跳ね上がりますので、そのタイミングかその少し前でローンの返済ができなくなる人が出てきます。
そうするとだんだん焦げ付きが始まります。
焦げ付きが始まった時に被害を被るのは誰かというと、その時点でそのローンのオーナーになっている人、CDOを保有している人になります。
リーマン・ブラザーズは大量にCDOを保有していました。
CDOがどんどん売れることによりバブルになった住宅市場や金融市場は、
このサブプライムローンによる債務不履行によって盛大に弾け、
アメリカ大手金融企業であったリーマンブラザーズは破綻しました。
それが2008年9月15日です。
これが日本ではリーマンショックと呼ばれています。
◇◇◇
この2,3年後に爆発する時限爆弾に気づいていた人たちがいました。
このCDOの本当の価値はAAAなんかじゃない、もっとずっと低い、ということを察知した人が何をしたかというと、
このCDOがもしデフォルト(債務不履行)したらお金をくれよ、という保険商品を提案しました。
CDOというのは外向けにはとても信用度の高い、安全な商品です。
それに対して保険料は払うからもしも破綻したら保証してくれ、というのは
金融機関側からすると、
マジでデフォルトなんかすると思ってんの!?アメリカ中の家のローンが??頭おかしいのかこいつら?そんなん、いくらでもどーぞHAHAHAHA!
って感じですので(だいぶデフォルメした想像ですが。金融機関の中の人とてCDOの実態に気づいている人は少かったはず)
この保険商品はCDS(Credit Default Swap)という名前の金融商品として(わかる、もう意味わからないよね)確立されました。
結果、CDOは債務不履行となり、CDSはその瞬間、多額の保証金を生み出しました。
こうやってリーマンの裏で儲けていた人たちもいました。
同時に大手保険会社であるAIGは経営危機に陥りました。(けどそのあとFRBからの資金注入で生き返っています)
このCDO、CDSを取り巻いてはその権利を売ったり、別の束にして売ってみたり、いろんな形、名前に姿を変え、流通していたみたいです。(もうわけが分からないし、きっとそれも実態を見えにくくする手なのでしょう)
◇◇◇
だいぶざっくりではありますが、前編・後編とでまとめてみました。
分かりやすくまとまっている動画は
黒川あつひこさんの動画
とか、
マネーショート(映画)
も良いです。まだ見ていない方はぜひ!
◇◇◇
ここまでがまとめの内容になります。
内容だけでいい方はここまで読んでいただければおしまいです。
読んでいただきありがとうございました。
拙いですが感想を後記に書きますのでお時間ある方はこちらへどうぞ!
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