工藤吉生歌集『世界で一番すばらしい俺』発売中
ご覧いただきありがとうございます。
歌人の工藤吉生(くどうよしお)です。
短歌集『世界で一番すばらしい俺』が短歌研究社から発売されました!
331首収録。初めての歌集です。
おかげさまで、発売翌日に重版が決定するなど、好調です。現在6刷です。
朝日新聞・読売新聞・毎日新聞・東京新聞が紹介してくださり、ニュース番組「ABEMAヒルズ」でもご紹介いただきました。
芥川賞作家の故・西村賢太さんは『本の雑誌』の連載「一私小説作家の日乗」でこの歌集を「心に波立つ歌多し。これはいい本だ。」と書いてくださいました(『本の雑誌』2020年10月号)。
また、クイズ王の伊沢拓司さんがYouTubeで紹介してくださいました。
17分くらいからです。
ありがたいことです。
ツイッターで皆様からたくさんの反響をいただきましたのでトゥギャッターにまとめました。ぜひご覧ください!
つづいて、歌集『世界で一番すばらしい俺』の中から短歌の抜粋15首をお届けいたします。
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シューティングゲームのうまいやつが来て雨粒全てよけて帰った
傘を振り落ちないしずくと落ちるしずくどこが違っているのでしょうか
風景を見てるつもりの女生徒と風景であるオレの目が合う
何をしても落ちなさそうな黒ずみに両足で立ち〈1〉と〈閉〉押す
幸せなあちらのオレが今ここのこのオレを思いぞっとする夜
十七の春に自分の一生に嫌気がさして二十年経つ
ぼくは汽車、汽車なんだぞー! と駆けてきた子供がオレにぶつかって泣く
秋がくる 床屋の椅子に重大な秘密があって欲しいと思う
三人で歩いていれば前をゆく二人とうしろをゆくオレとなる
この人にひったくられればこの人を追うわけだよな 生活かけて
東京に行って頑張りたいなどと聞こえるベンチにまどろんでゆく
うっかりと入っていくと晩飯をふるまわれそうな灯りの家だ
オレ以外みんな真面目に生きていて取り残された気のする深夜
眠るため消した電気だ。悲しみを思い返して泣くためじゃない
膝蹴りを暗い野原で受けている世界で一番すばらしい俺
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以上、抜粋でした。
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2021年、剛力彩芽さん主演(男子高校生役)により短編映画化されました。
映画では、歌集の冒頭の「校舎・飛び降り」が映像化されています。映画は現在は見られませんが予告編がYouTubeにありますのでご紹介します。
そんな一冊です。ぜひぜひ、この機会に手にとっていただければ幸いです。
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著者について
工藤吉生(くどうよしお)
▼1979年11月4日 千葉県生まれ。
▼2009年 ブログ「存在しない何かへの憧れ」開設。
▼2011年に枡野浩一編『ドラえもん短歌』(小学館)で短歌に興味を持ち、インターネット中心に短歌を発表し始める。
▼短歌結社誌「塔」を経て2015年より「未来」所属。
▼短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」などの読者投稿欄、「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」などの新聞歌壇、Eテレ「NHK短歌」に短歌を投稿。
▼2016年「NHK短歌」年間大賞受賞。
▼2017年「うしろまえ」(20首)が未来賞受賞。
▼2018年 「校舎・飛び降り」(50首)が第8回中城ふみ子賞次席。
▼5月17日、車にはねられる。この日に投函した「この人を追う」(30首)が第61回短歌研究新人賞受賞。
▼2020年 歌集『世界で一番すばらしい俺』(短歌研究社)。
▼2021年より『短歌研究』で「Twitterで短歌さがします」連載。
▼ツイッター@mk7911。
▼noteで日記を毎日更新。
▼宮城県在住。
▼愛猫の名はアリス。
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