325.20221101：ハイドの回：子どもの死者の日
「明日の夜はお忙しいんですか？」
チカッツに訊かれて
忙しいと答えられるヤツはなかなか居ねぇだろ。
いや、実際どヒマだから
昨夜その通り答えた訳なんだけど、
「明日明後日はね、
今度は死者の日なんだ！
なりちん、お面作ってくるからね
また一緒に遊ぼ♡」とナリス。
大したもんだよな、
クレオキャロルレッソの予約を
十輝に取らせたらしいよ。
あの人は幽霊の身でバースセイバーして
唸るほど銭も余らせてるだろうから
金銭面は心配してないけど。
死者の日に死者に遊び場を予約させるって
なかなか笑えたわ。
楽しかったよ。
店に行く前に、
今夜は夭逝した霊が帰ってくるから
お菓子を供えるんだって言って、
わんさか菓子を持って
ナリスがよその家の墓場の入り口に
勝手に供えようとしたら、
フレデリックが慌てて、
ヤツが信仰してる祖先信仰の神域へ連れて行った。
デイサペトナ教でも
今月末に似たような行事があるんだそうだ。
神殿だか拝殿だかに供物を供えると、
神ではなく死者に届くらしい。
他の世界線で十かそこらの年の兄貴を
戦争で喪ってるナリスは喜んで
神妙に神殿の奥に向かって祈りを捧げた。
明日はお袋さんの為に酒を持って来ると言って
神域を後にした。
この世界線でこのまま無戦状態が続くよう
オレもナニカに祈らずには居られなかった。
ウチの戦勝神の神殿では願えない事だ。
こういう場合、
何処に祈りゃ良いんだろうな？
マリエラセス暦４０４４年１１月２２日白曜日２３：０２。
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