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控えめな場所はジャズ体験のハードルを下げてくれるかもしれない

先日、テレビ番組『題名のない音楽会』で東京藝術大学の学園祭(藝祭)が紹介されていました。

はじめて拝見したのですが、東京芸大の学祭って来場者は三日で3万人と盛況、開催されているのは「声楽科が出す模擬店」とか「ケルト音楽の模擬店」…どれもオープンで、聴く人と音楽の距離が近くて楽しそう。番組でジャズは出てこなかったのですが、学園祭には音楽のいい楽しみ方がありそうな匂いを感じ、今回は学園祭体験に行ってみました。

国立音楽大学 芸術祭

テレビで見た東京芸大の学園祭はもう終わっていたので行ってみたのは国立音楽大学の芸術祭
選んだ理由は、卒業生に板橋文夫さん池田篤さん、…など知っているジャズミュージシャンが多かったのでジャズとの相性がいいのでは、ということからです。

おさらいですが、このnoteではいつも言わせていただいているのが
「ジャズは体験がオススメ」ということ
「でもジャズ体験には ”むずかしい” イメージが広くあってなかなかハードルが高いのが現状」ということ。

でも学園祭は ”むずかしい” 空気が少なく、”らく~” だったのです。

学園祭ではいたるところで演奏が行われていました。
そして、ジャズに限らずいろんなのを聴きにまわったのですが、小っちゃい子供連れのご家族やおじいちゃんおばあちゃんカップルなど幅広い層の聴きたい人で多くの演奏が満席。演奏中も音に合わせて赤ちゃんをゆらしているお母さんと聴きいっているおじいちゃんが隣の席だったりやわらい空気で、そこに ”むずかしい” 空気はありませんでした。

特に記憶に残ったのが「フランスカフェ」というフランス音楽研究会さんがやっていたカフェです。「部員によるピアノ演奏を楽しみながらゆったりとしたティータイムを過ごしてみませんか」という模擬店。開けられたままの入口から中をのぞいみると、受付の学生さんが「よろしかったらどうぞ~」と弱めに声をかけていただきやわらかな空気。入って3曲くらい聴かせていただいた間も終始やわらかくて ”らく~” な時間を楽しむことができました。
このカフェの他に聴いたモダンジャズ研究会のJAZZcafe、有志打楽器アンサブル、チェロ研究室などの演奏会も同じ感じで心地よく帰路につけた学園祭体験になりました。

帰り道考えたのは
学園祭には、「まだまだ勉強中ですが」的な想いからかホストである学生のみなさんが作る ”控えめな空気” が全体にあり、それがジャズ、クラシックなどのむずかしいイメージもやわらげてくれてたのでは、ということ。
そういえば、先日行って同じように ”らく~” な体験だったSofar Soundsも同じような空気感だったことも思い出しました。うまく言えないのですがあの ”控えめな空気” は音楽体験をアップデートしてくれる可能性がありそう、と考えたわけです。

そんな時、noteにこんな記事が

「アパートメント・ストアという新しい店舗のかたち」と紹介されていた中で
"Generosity of Space(空間の寛容さ)"という言葉が登場し

プレッシャーを感じることなく、まるで自分の家のように歓迎されるー…

と書かれているのとみて「そういうことか!」ってなりました。
頭にでてきてた「柔らかい空気」というのは、この「自分の家のように歓迎される」につながっている気がして少し考えに自信をもらえました。
”むずかしい”イメージは、控えめに歓迎される空間 であれば薄まるかもしれない。
とかくジャズは”クール”とか”むずかしい顔をして聴く”という印象なので、空気がかわればもっと親しみやすくなるかもしれません。

そして、学園祭はジャズ体験のハードルが低くてオススメです。

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ちなみに、どこの学園祭に行こうか考えてた時に調べた”国立音楽大学だったジャズミュージシャン”はこんな方々でした、
(50音順、敬称略)

池田篤
石黒彰
板橋文夫
梅津和時
大井貴司
国府弘子
小宅珠実
佐山雅弘
椎名豊
中村誠一
古澤良治郎
本田竹広
本田雅人
本田竹広
松居直美
山下洋輔

など です。
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あわせて、Sofar Sounds について書いた記事もよろしければ是非


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