ドラムセットがジャズを語る
ジャズのドラムセットは小ちゃくてかわいい
ポップス、ロックのドラムはドーンっとおおきい
この差を、昔は「ジャズのドラムセットは迫力がないな〜」と思っていました。それが最近、ふと、ちっちゃさを「やわらかい」って思えるようになり、さらにその「やわらかさ」ってジャズの良さじゃないか、と考えたらしっくりきました。
ジャズは「やわらかさ」がいい
有名なジャズピアニスト、Herbie Hancockさんの「Watermelon man」という曲があります。これを、ハンコックさんは4ビート(ジャズ)とはねたビート(ジャズファンク)、それぞれでレコードに入れてます。
まずはジャズ
軽快で、重くない。やわらかいビートに哀愁を感じます。
それが、ファンクっぽくなるとこうです
通して入っているベースリフの重いグルーヴとルーズなのに鋭角的なビートのドラムに高揚感がグググッと大きくなっていきます。
こうやって聴き比べると、ジャズがやわらかくて、ファンクはカタい感じ、みたいに感じます。
「ジャズはむずかしい」という言葉を目にします。
あと、「むずかしい」ってなんかカタいイメージもあります。
「Watermelon man」を聴くと感じるようにジャズはやわらかめなので、ホントはそんなにむずかしくない、ということになります。
そして、ジャズは、音との距離を自分にとっていいところに調整しやすい存在で、それを”やわらかい”と感じるのではないかと。あまり主張しないさりげない存在にしたければ頭の中で遠ざけることもできるし、音の存在感を大きくするために距離を近くにもできる、音量の調整じゃなく、頭の中で感覚を調整しやすい音楽がジャズじゃないかと。
その感覚って、ジャズのドラムセットの”さりげない”あの風貌じゃないかと。
ちょっと話がそれるかもしれませんが、ジャズドラマーさんのなかには、基本のセットだけを新幹線で運ばれる方もいらっしゃいます。新幹線ホームにお迎えにいくと、短い停車時間の間に、ホイ!ホイ!ホイ!って見事な手さばきでドラムセットを下されます。フットワークが軽いのです、ジャズのドラムセットさんは。
こういう親近感も含めドラムセットってジャズの良さを語ってるなー、って思った今週でした。
次は、ジャズの中でもドラムセットに違いがあり、それが「〇〇ジャズ」「〇〇ジャズ」にあらわれるか研究してみたいかも。
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