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小説

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小説を書いています。 読んでくださるみなさんが、どこか懐かしい感覚の蘇る作品になれば嬉しいです✨ 主に中編小説で続きものになります。 是非読んでみてね☺️
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2020年4月の記事一覧

【第3話】すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

【第3話】すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

(8)裸の札束 pm3:00 【寺子屋】と〝ケンタロウ〟

〝ケンタロウ〟の部屋のドアは
いつも大きく開いている
ダイニングキッチンから彼の部屋の中は
いつも丸見えだった
だからキッチンで料理をしていても
食堂で食事をしていても
部屋の中にいる彼と話ができた

〝ケンタロウ〟はいつも昼頃に起きて
毎朝おきまりのウェルチを飲んで
外の景色を眺め
スエットとTシャツと草履で出かけていく

同僚のは

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【第2話】すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

【第2話】すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

(5)戸越公園am7:00

『降りるよ』

タクシーを降りて
古びた銭湯の角を曲がると
真新しいマンションがある。

二階建ての世帯数は多くなさそうな
入り口に屋根のない駐車場が付いている
綺麗なマンションだった。

『お邪魔します』

部屋に入るとダイニングキッチン
そこに1人のスーツの男性が立っていた

『お帰り』
『ただいま』
『誰?』
『カノジョ』
『ちょっと!』
『ごめん嘘。笑』

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すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

すさんでる街の真ん中は透明でホントはすさんでるなんて言ったって実際そうでもないと思うんだよ。

(1)新宿バスターミナルam6:00

早朝の新宿
寒くて霧がかってて
見上げると高層ビルの上の方は
      白く天辺の方は見えなかった

霞んだ蛍光灯の白い光が見えて
ひとつだけ開いていた新宿駅南口の
大きな時計が目印のファーストフード店
コーラをひとつ注文して2階へ

テーブルに頬杖つくと
いつの間にか眠ってしまっていた。

目が覚めたらam11:00

かなりザワザワして

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