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今こそ観たい『ボブという名の猫』〜映画でイギリス英語

コロナの影響で、好むと好まざるとにかかわらず、家で過ごす時間が増えています。

東日本大震災の時には、人生とは命とはなんなのか自問自答し、人生観が変わった経験を多くの人が共有し、世界が日本を助けてくれました。

コロナは全世界規模で感染が広がり、人が人を助けること、人が人に助けられること、人と自然の関わり合いについて、今度は地球に住むみんなが考えることになっています。

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私の第二の故郷であるイギリスでは、感染者数の高さはもとより、致死率も高く、厳しい時期が続いています。しかし、ワクチン臨床試験のボランティアや様々なチャリティー活動が盛んに行われており、イギリス魂ここにありといった様相を呈しています。

イギリスは、国家としては極悪非道な行いを過去に散々してきましたが、天使のようなチャリティー精神が育まれ、行動に移されるという面もあります。

そんなチャリティー精神の現れのひとつが、ビッグイシューの活動です。ビッグイシューの社会的役割を知ってからこの映画を観ると、イギリスの今がよくわかるので、ぜひ以下をお読みくださいね。

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(写真出典元はBig Issue UK公式リンク:https://www.bigissue.com

ビッグイシューはイギリス生まれの社会事業団体です。路上生活者や生活困窮者の方々の自立支援を雑誌販売という手段を通じて行っています。いわば魚を与えるのではなく、釣竿を渡す活動です。

写真にあるように赤いベストを着てBig Issueという雑誌を無料で仕入れて販売し、その収入の半分以上を得ることができる仕組みです。'Issue'は、出版と問題の2つを掛けているのだと思われます。

コロナの影響で、雑誌の路上販売が出来なくなっている現在も、公式サイト冒頭に'Urgent appeal to support the Big Issue'(ビッグイシュー緊急支援のお願い)と掲げられています。ビッグイシューは日本にもあります:https://www.bigissue.jp/about/

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この映画の主人公も、路上生活者です。路上生活の上にヘロイン中毒。実家ともうまくいっていません。いろいろあって、主人公がもう限界だと思った時に訪ねたのがBig Issueの事務所でした。

先進国にもかかわらず、家も仕事もない過酷な日々、助ける術を模索する人々、家族の問題を抱える人々、この世をより良い場所にしようと奮闘する人々。動物に対する人々の反応...イギリス社会が、今コロナにどう対処しようとしているのかも、この映画から伺うことが出来るように思います。

私の知人の義理の妹さんはイギリス人なのですが、オックスフォード大学が開発中のコロナワクチンの臨床試験にボランティア参加しているそうです。数日であっという間に800名ものボランティアが集まったそうで、イギリスらしいなと思った次第です。

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映画に登場する主人公の相棒ボブ。本物が映画でも演技?しているのがさらに驚き!

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この映画のセリフで一つぜひ覚えていただきたいのは、

You shouldn't have.

です。主人公が贈り物を受け取った時に、thank youと言わず、Oh, you shouldn't haveと言う場面があります。直訳すれば「あなたはそうすべきではなかった」です。

「まあ、わざわざこんな...」「そんな、いいのにー!」「そんなにお気を使っていただかなくてよかったのに...」のような感じですね。

日本語のちょっと謙遜したお礼のことばと似ていますよね。そんなイギリス英語が好きです。このセリフが出てくる場面、ぜひ見つけてくださいね。

・Youtubeにトレーラーがあります:https://www.youtube.com/watch?v=RU6eTIthaso&feature=emb_logo

・アマゾンプライムビデオに入っています。

・写真出典元は、映画の日本公式サイトhttp://bobthecat.jp








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