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入社1ヶ月は、伝えることばに神経を尖らせる日々だった

noteをはじめたのは1年ちょっとまえ。文章を書くことが自分のプライベートのいろどりで、生きている実感となるわたしにとって、noteはことばを使って創作したいという自分の欲求を満たす場所でした。

それが、まさか仕事について書く日がくるとは思わなかった。けれど、間違いなく今、わたしはいわゆる「入社1ヶ月note」を書こうとしています。noteを運営するピースオブケイク(通称、ピ社)という会社の広報担当となったからです。

広報の役割はみんなと仲良くなること

入社前後。CEOの加藤さんCXOの深津さんにご挨拶をしたときに言われたのは、「みんなと仲良くなって、仲間をたくさんつくりましょう」というとんでもなくやわらかなこと。ともだちたくさんつくってね、と。

みんなというのはnoteのクリエイター、ユーザー、メディア、パートナー、ピ社のひとびと……とにかくみんな。すごくシンプルにわかりやすく、広報がすべきことを教えてもらいました。広報の本質を目の前にした気がして、気が引き締まります。メディアリレーション、プレスリリース……そういった手段にとらわれて視野がせまくならないように。

それから1ヶ月の出来事をひとことであらわすならば、ピ社の人格をそのまま自分自身に写しとること。まず動きはじめて、それから考えたいタイプのわたしにとっては、もしかしたら少ししんどい期間だったかもしれない。けれど絶対にスキップしちゃいけない、たいせつなことでした。

みんなと仲良くなるためには、ピ社が考えていることを根元の部分から知ってもらう必要があります。根元にはブレない、絶対的な軸があるから。日々おこなわれるnoteのカイゼンも、会社としてのあたらしい取り組みも、すべては「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ため。みんなにたくさん伝えたいことがありました。でも、わたしがピ社の考えを写しとれていなければ、正しく伝える役割を果たせません。

だから、わたしは入社前の1ヶ月と入社後最初の1週間をインプットに費やしました。加藤さんがnoteで書いてきたすべての記事と、見つけられる限りのインタビュー記事。ひとりめ広報もりもとさんが残してきた、全体会議で社員に向けて話した加藤さんのことば。ほかにもいろいろ。ドライアイと肩こりに悩むほど文章を読みました。

伝えるためのことばに神経を尖らせる

ピ社の思考をインプットすれば、次はアウトプットしてみんなに伝えていく段階になるのですが、一番たいへんなのはここです。

プレスリリースや社員インタビューの文章から、Twitterのひとことまで。ひとつの単語を世の中に放とうとするたび、ピ社はこういう表現をするだろうか、このことばを使うだろうかと反芻します。慣れていないから意識をすごく尖らせないといけないし、めちゃくちゃ時間がかかります。ちょっと胃腸薬のお世話になりたいし、神経を使いすぎて仕事の夢もたくさん見ました。

これまでゼロ→イチで会社に広報を構築してきたわたしにとって、すでにPRの視点が浸透している組織に途中加入するのははじめての経験。成長途中のものだとしてもすでにそこにあるカルチャー、過去からの文脈、においみたいなものを自分の血肉にしなければ、自分なりの動きだってクリエイティブにできはしないと焦っていたというのがこの1ヶ月の正直な感想です。

そんな試行錯誤の毎日が楽しいのは、広報活動によってクリエイターをはじめとした「みんな」とつながる感覚が明確にあるからでしょう。noteはこんなことをやっていくよ!ピ社にはこんな社員がいるよ!といった発信に対して、たくさん反応をくれるやさしい世界を目の当たりにする日々だから。

ピ社のことやnoteのことを、Twitterでつぶやいたりnoteに書いてくれるひとたちがいます。ピ社からの声がクリエイターにとどき、クリエイターの声がピ社にとどく。その輪がひろがっていく。シンプルにすごいことです。

創作に関する原体験がわたしをピ社に夢中にさせる

クリエイターにことばがとどいたり、noteが愛されていることを目の当たりにしてこんなにも嬉しいのは、わたしの原体験にも「クリエイター」「創作」という部分があるからです。

わたしは文章を書くことやダンス、ミュージカル、演技といった身体による表現活動がすきな人間です。自分でも書くことと踊ることをしてきたのですが、ダンスはいつの間にか辞めてしまいました。社会人になってからは、文章を書くことが自分の人生を意味のあるものにしています。ダンスも続けていたら、創作によって生まれるしあわせが2倍になっていたんじゃないかと悔やむこともあるし、だれかが踊る姿を見れば心臓がギュウと痛むこともあります。

noteという街に1年前に出会ったとき、そこにたくさんの表現者(クリエイター)がいることを知り、胸が熱くなりました。noteはクリエイターの背中を押して、創作活動へのはじめの一歩を応援してくれるし、創作を続けるためのたくさんの後押しをくれます。なんてすてきな街なんだろうと思いました。もっと文章を書こう、読もうという気持ちになって、ダンスを続けなかったことへの後悔が少しだけ供養されたようでした。

一方で、noteに出会った当時のわたしは仕事(広報や編集)とプライベート(すきに書くこと)を完全にわけていて、ピ社で働くことをイメージすることはまったくありませんでした。プライベートの時間でnoteを愛しながら、仕事ではだいすきな広報に加えて3つのウェブメディアの編集長を任せてもらう。広報×編集。そんなキャリアを積み重ねることで、自分なりの新境地みたいなものに出会えるんじゃないかなと、ぼんやり将来を考えていました。責任と自由があり、刺激的な毎日でした。

しかし、今年の夏の終わり、Wantedlyで「ふたりめの広報募集」というピ社の求人に出会います。まるで突然の恋に落ちたようでした。あのnoteの会社が広報を募集しているのか。これまで一度もイメージをしたことのなかった、ピ社で自分が広報をするという想像が勝手に膨らみ出し、頭の中を支配しました。

心臓が早鐘を打ちます。はやくエントリーをしないと、募集が終わってしまうかもしれない。けれど、今もっている責任と自由、自分の存在価値を認めてくれる場所。転職を踏みとどまるべき理由が頭をもたげます。半日悩んだあと、目を瞑ってカジュアル面談へのエントリーボタンを押しました。

一度決めてしまえば、どんどんのめり込む恋のようにワクワクしました。だいすきな広報の仕事をだいすきなプロダクト、だいすきな創作の場でできる!Twitterの検索もはかどり、何人かの社員のアカウントを定点観測しはじめました。今思えば、完全にストーカーです。ごめんなさい。

創作へのなみなみならぬ思いを抱えて入社したため、今ピ社にかかわってくださるみなさんとコミュニケーションを取れることがとても楽しいです。この1ヶ月はコミュニケーションのための準備が大半だったので、これからもっともっと関係をつむぎたいと思っています。

1ヶ月でやったことを具体的に

なにをやったかという手段の話にフォーカスしたくはないのですが、今後振り返られるように自分の足跡を残しておきたいので補足的に。

プレスリリース5件、ほかお知らせ1件
発信する情報量がまずすごい!入社前に外から見ていて感じていたことです。わたしもさっそく6件書きました。まだ自分から情報をつくりだすことはできていないので、今後やりたい。

社員インタビュー2件
取材対象者はわたしの入社前から決まっていたので、わたしは企画整理と構成案出し、取材、執筆、入稿、公開、告知をしました。ここで上段で言ってきたピ社としての表現の仕方を繊細に考え、学びが多くありました。

記事制作のガントチャートづくり
社員インタビューの動きを広報ふたりと人事の北上さんとで共有するためのガントチャートをつくりました。ほかにも、ちまちま整理していることがあったりします。

過去ログをめっちゃ読む、動画も観る
記録は資産。ひとりめ広報もりもとさんが会議や取材時の記録をたくさん残してくれていて、本当にありがたいのです。最近のもりもとさんのnoteにも秘伝の奥義が書かれています。広報に限らず、ビジネスパーソン要チェックです。

取材に同席して知る、知る、知る
加藤さんや深津さんの取材に同席して、深呼吸するように知識を吸収しています。そして、もりもとさんに習ってログを取材先に共有します。ピ社のひとびとのことばは知見とエモにあふれ、そばで生きたことばを聞けるなんてとても役得だと心のなかで思ったりしています。

仕事にはA面もあればB面もある

広報の仕事ってカセットテープみたいなもので、メディアリレーションや取材のアテンド、プレスリリース、社員インタビューといったA面の仕事の裏側には、知られざる事前準備のB面があります。(カセットテープを知らない?それは耳をふさぎたい現実です。)しかも、今回の話にある事前準備は事前も事前、クラウチングスタートのまだおしりがかかとについている段階の話。いや、スタートラインに着く前の柔軟している段階?

会社のことばを自分のことばにする。ミッション・ビジョン・バリューをだれよりも染み込ませる。はじめに準備をしてこそ、ただしくステークホルダーとコミュニケーションが取れるようになります。

たいせつなクリエイター、ユーザー、メディア、パートナー、そしてピ社のひとびととたくさん対話を重ねるために、B面に流れる音楽をつむぎ忘れず、A面の仕事に取り組みたいと思います。

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