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古い腕時計(詩)

部屋の整理をしていたら、ひびの入った古い腕時計が出てきた。
昔の時計なので、ネジ巻き式のもので、もちろん針は止まったままだった。
確か、親から初めて買ってもらった腕時計だ。
初めてその腕時計をつけたときは、大人の気分になったものだ。
試しにネジを回してみると、秒針が動き出した。
しかし、秒針は進んだかと思えば止まり、止まったままかと思うと動き出した。
不整脈の時を刻む腕時計を眺めて思った。
この時計で一日の時間を計ってみたら、一日はいったい何時間になるのだろうか。
いつもよりゆったりした時間が流れ、心に余裕が持てるのではないだろうか。
僕はネジをいっぱいに巻き、久しぶりに腕時計をつけてみた。
コーヒー一杯分の休憩時間を得したようで嬉しかった。

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