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芹沢央『火のないところに煙は』読了

芦沢央の怪談と聞けば読むしかないと思いつつなかなか読めなかった本をやっと読了。

現実の世界と霊界とがごちゃ混ぜになった世界での6つの怪奇連作小説。

よく霊感が強いという人がいるが、霊感があるということと霊がいるということとは別問題だと思っている。私自身は霊や祟りを信じていない。しかし、世の中には科学的に証明できない怪奇現象はたくさんある。そのほとんどが人から人へ伝えられるうちに尾ひれがついたフィクションだろうが、それでも不思議な話はどこにでもある。

それにしても、どこまでが現実で、どこまでがフィクションなのかわからないところに、この著書の恐怖がある。榊󠄀桔平さんはいったいどこへ行ったのだろうか? それとも最後の編集部後記も小説の一部なのか? とにかく榊󠄀さんを探すのはやめたほうがいい。

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