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波打ち際の風景(詩)

波が引き寄せる
すべての言葉を道づれにして
言葉を失った僕らは
なけなしの体をぶつけあい
かすれた音とともに夜に消えていく

波が打ち寄せる
すべての暴力を引き連れて
無抵抗の僕らは
ありあわせの言葉を紙に書き
波打ち際へそっと置き去りにする

僕らにできることなんて何もない
それが僕らのお守りの言葉

波の向こうを夢見た者は誰一人帰らない
だから僕らは砂にまみれた体を震わして
ただ波をみつめて追悼するだけ

僕らにできることなんて何もない
波に逆らうことも
波を突き進むことも
僕らにはできるわけがない

波打ち際の貝がらが小さな声で泣いている

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