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ライオンの会話(小話)

「どうしたんだい? お前さん、顔色が悪いじゃないか」
「いやあ、腹の具合が悪くてね。昨日食べたものが良くなかったみたいなんだ。下痢がひどくて、夜も眠れなかった」

「腐ったものでも食ったんじゃないかい?」

「いや、生きてるやつを捕まえて食ったから、新鮮そのもののはずなんだけどな」

「いったい何を食べたんだい?」

「二本足の動物だったよ。こっちは四本足たから捕まえるのが簡単だったよ」

「そいつはきっと人間だな」

「人間? そいつは毒でも持ってるのかい?」

「いや、人間には毒はないはずだ」

「じゃあ、いったいこの下痢の原因は何なんだ?」

「もしかしたら」

「えっ?」

「人間にもいろんな種類がいるからね」

「そうなのかい?」

「ああ。たぶんお前さんが食ったのはセイジカって種類の人間だったんじゃないか?」

「でも、セイジカってやつも毒は持ってないんだろう?」

「ああ、毒は持ってない」

「じゃあ、俺はなんで下痢になったんだい?」

「セイジカってやつは確かに毒は持っていないが、生きてるうちから腐ってるんだ」

お後がよろしいようで。

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