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『ルワンダ中央銀行総裁日記』を読んで

アフリカ大陸で最貧国だったルワンダ。そんな国に世界通貨基金から一人の日本人が中央銀行総裁として着任する。中央銀行と言っても古い平屋建ての建物で、銀行の態をなしていない。
しかし、著者の服部氏は一から金融改革だけでなく、経済改革までも率先して働く。
金持ちの外国人がルワンダの貧乏人から搾取するのを、理論的にコミュニケーションを取りながら進めていくやり方には感動を覚えた。
著者の日本銀行で培った幅広い知識と、現地での農民から大統領まで話をよく聞き、問題点を洗い出し、解決策を立案し、実行する力と、ひとえにルワンダの国を良くしよう、農民が自分から働く環境を作ろうという強い意志が一つになって突き進んだ7年間は、ルワンダをアフリカの見本と呼ばれる経済発展という形で結実する。
得てして途上国援助というと、相手国のためではなく、自国の利益のために行われることが多い。そんな中で日本人は相手国のレベルに合わせた改革を行っている。(すべての日本人がそうかはわからないが)日本人の利他の精神と生真面目さは素晴らしい。これからも日本人にはその精神を忘れないように生きてもらいたいし、自分もそうありたいと思えた。
※その後、ルワンダ虐殺が起こるが、今では経済的に発展を続けているようだ。

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